確定申告が毎年憂鬱でした。1年分の領収書、バラバラのCSV、書類の山。いつも2月の最後の週になって、泣きながら夜中にまとめていました。

今年はそれをやめたくて、Claude Codeで整理作業を自動化してみました。この記事はその記録です。月ごとに何をしたか、何時間かかったか、どこで詰まったかを書きます。確定申告準備の参考にしてください。

結果の先出し

  • 昨年の準備時間: 約17時間(最後の1週間に凝縮)
  • 今年の準備時間: 約2時間(1月から分散)
  • 税理士に渡した整理済みデータの品質: 「去年より見やすい」とコメントされた

時間が8分の1になっただけでなく、心理的な負担が激減 したのが一番の収穫でした。

1月 — 1年分のデータを集める日

年が明けた1月の週末、筆者がまずやったのは物理的な作業でした。

  • 紙の領収書を段ボールから出す
  • 銀行のCSV明細をダウンロード(1年分)
  • クレジットカードの明細をダウンロード(3社分)
  • 電子領収書のメールを検索して添付ファイルを保存

ここは手作業です。所要時間は 1時間程度

データが全部フォルダに揃ったところで、Claude Codeに仕事を振り始めました。

紙の領収書をCSV化

段ボールから出した紙の領収書は、スマホで連写してフォルダに入れました。20枚くらい。

receipts/ フォルダの画像をすべて読んで、日付・店名・金額・内訳をCSVにまとめてください。判別できないものは「要確認」としてマークしてください。

所要時間は5分。要確認が3枚ありましたが、それは画像がブレていたものだけでした。ブレていた紙を撮り直して再投入したら、全部処理できました。

電子領収書のPDFも一気に

メールで届いていた電子領収書(サブスク、SaaS、オンライン購入)も同じようにまとめました。

digital_receipts/ フォルダのPDFを全部読んで、同じ形式でCSVにしてください。

こちらも数分で完了。紙と電子合わせて170件の領収書が、1枚のCSVになりました。

2月 — データをきれいにする

2月の第一週末、集めたデータを「確定申告で使える形」に整えていきました。

勘定科目の自動分類

集めたデータを渡して、勘定科目の下書きを作ってもらいました。

expenses.csv を読んで、各取引を勘定科目(交通費/通信費/消耗品費/交際費/会議費/広告宣伝費/新聞図書費/その他)に分類してtax_category列を追加してください。判断に迷うものは「要確認」としてください。

結果: 170件のうち、140件が即座に分類され、30件が「要確認」でした。

「要確認」の30件は、自分の目でチェック。たとえば「ガソリン代」は個人用か業務用か分かれるので、AIには判断できない。ここは人が必要でした。30件をチェックする時間は10分くらい。

銀行・カード明細のクリーニング

銀行とカードの明細は、口座番号・カード番号が含まれているため、AIに渡す前にマスキングしました。テキストエディタで置換(0000-xxxxのような形に)してから処理します。

マスキング済みのCSVをClaude Codeに投げて、

bank_statement_masked.csv から、事業用の入出金と私用の入出金を区別してください。判断に迷うものは要確認に。

事業用と私用の混ざった口座だったので、この区別ができただけで助かりました。

3月 — 月次サマリーとfreeeへの取り込み

2月でデータが整ったので、3月は仕上げに入りました。

月別サマリーの作成

整理済みのexpenses.csvから、月別×勘定科目別のサマリー表を作ってください。 合計行、前年同月比(昨年のデータは last_year_expenses.csv)、年間合計を含めてください。 出力は summary.xlsx で、シート別に「月次」「年間」を分けてください。

5分で完成。これを見て、自分でも気づいていなかった傾向が見えました。「通信費が去年より40%増えている」「交通費は半分に減っている」——こういう情報が一目でわかります。

freeeへのインポート用ファイル作成

税理士への提出の前に、自分の会計ソフト(freee)にもデータを入れました。

expenses.csv を freee の取引インポート形式に変換して、freee_import.csv に保存してください。

freeeが要求するカラム名(発生日、勘定科目、金額、備考など)で出力してくれます。それをfreeeの管理画面からインポートするだけで、1年分の取引が登録されました。

税理士への提出

最後に、税理士に送る資料を整えました。

以下を一つのzipにまとめる構成で、ファイル一覧を提案してください。

  • 整理済み経費CSV
  • 月次サマリーExcel
  • 領収書スキャンフォルダ(参照用)

構成を教えてくれたので、その通りに作って税理士にメール添付で送信。例年はこの作業だけで2時間かかっていましたが、今年は30分で終わりました。

失敗したこと・気をつけたこと

個人情報の扱い

今回一番気をつけたのは、口座番号・カード番号のマスキングでした。最初のとき、うっかり生の明細を渡しそうになって焦りました。以降は作業前に必ず CLAUDE.md に禁止事項を書いてから進めるようにしました。

## 禁止事項
- 口座番号、カード番号、社会保険番号をそのまま処理しないでください
- 含まれるファイルを検出した場合、該当箇所をマスキングしてから処理してください

完全自動はできない(と悟った)

最初は「全部AIにやってもらえる」と期待しましたが、結局は:

  • データを集める作業(物理)
  • 迷ったときの人間の判断
  • 最終チェック

この3つは残ります。でも、それ以外の 単純作業の90% はAIが引き受けてくれました。

税額計算はAIに任せない

勘定科目の判断や集計は便利ですが、税額の計算は会計ソフトか税理士に任せる のが正解です。法律や控除の話は、毎年ルールが変わるので、AIより専門家のほうが確実です。

去年との比較(筆者の実測)

作業

去年(手作業)

今年(AI活用)

領収書のデータ化

5時間

10分

経費分類

4時間

20分

月次サマリー作成

3時間

15分

銀行明細クリーニング

2時間

20分

税理士提出資料作成

2時間

30分

その他予備

1時間

15分

合計

17時間

約2時間

削減率は約88%。でも数字以上に、夜中に作業しなくて済むようになった のが精神的に大きかったです。

来年に向けて

来年は 1月ではなく12月から月次で整理する 予定です。毎月末に30分だけAIに作業してもらえば、年明けには全部揃っている状態が作れます。

確定申告の季節に追い込まれる生活から抜け出せるのは、これまでの人生で一番AIに感謝した瞬間でした。