「ClaudeとClaude Codeって何が違うんですか」 — これ、本当に多い質問です。両方使ったことがある人にはあたりまえに見える違いですが、初めて聞いた人にとっては「同じAnthropic製で名前も似ているのに、なぜ別物なのか」がまったく見えません。

この記事では、ブラウザ版の Claude(claude.ai) とCLI版の Claude Code の違いを、対象ユーザー・できる作業・料金の3軸で整理します。

大前提 — 裏で動くAIモデルは同じ

最初におさえておきたいのは、Claudeも Claude Codeも、裏で動いているAIモデルは同じClaudeシリーズだということです。Anthropicが開発しているClaude Opus、Sonnet、Haikuといったモデルが、両方で使われています。

つまり「賢さ」の根っこは同じ。違いは、そのAIをどう取り出して、どう使わせるかのインターフェースにあります。

  • ブラウザで使うのが Claude(claude.ai)
  • ターミナルから使うのが Claude Code

エンジニアの言い方をすると「同じエンジンを、ブラウザという車体に積んだものと、CLIという車体に積んだもの」。エンジンが同じだから、賢さで選ぶ理由はない。何をしたいかで選ぶ道具です。

違い1 — 対象ユーザーと使う場面

Claudeは「誰でも使えるチャットAI」として設計されています。会員登録してログインすれば、すぐに会話を始められる。スマホでも使える。

[ブラウザ版 Claude.ai]
 → ログイン → チャット画面 → 質問入力 → 即返答

Claude Codeは「自分のパソコンで作業している人」のための道具です。コードを書く、文書を編集する、ファイルを整理する、といったローカル作業の中にAIを連れていくためのCLIツール。

[CLI版 Claude Code]
 → ターミナルでフォルダに移動 → `claude` 起動 → 作業

私の周りでの使い分けの典型はこうです。

  • 通勤電車で「メール文を改善して」→ スマホで Claude.ai
  • 自分のMacで「このリポジトリのREADMEを直して」→ Claude Code
  • 議事録の文字起こしを「要点だけ抜いて」→ どちらでもいいが、ファイルを直接編集したいならClaude Code

違い2 — できる作業の範囲

ここがいちばん大きい違いです。Claudeは「会話のなかで完結する作業」が得意。Claude Codeは「自分のパソコンの中で動く作業」までやってくれます。

Claude(ブラウザ版)ができること

  • 文章の生成・要約・翻訳
  • アイデア出し、ブレスト
  • コードのレビューや書き方の提案(コピペベース)
  • 画像やPDFをアップロードして読み取り

Claude Code(CLI版)ができること

  • 上の全部
  • 加えて、ファイルを直接読んで、直接編集して、保存する
  • ターミナルコマンドの実行(git npm ls など)
  • フォルダ内の一括処理
  • 外部ツール連携(MCP経由でNotionやGitHubに直接アクセス)
  • ブラウザ自動化(Playwright連携で社内ツールを巡回)

雑にまとめると、**「ブラウザ版は会話、CLI版は会話+作業」**です。コピペの行き来が要らないぶん、Claude Codeは作業時間が大きく短縮できます。

私が議事録整形を例に取ると、Claude.aiだと「録音から起こした文字をコピペして貼る → 整形結果をコピペで戻す」の2手間がある。Claude Codeなら「meeting.txt を読んで整形して summary.md に保存して」の1指示で完結します。差は地味に見えて、毎日3回やると年間で数十時間の差です。

違い3 — 料金体系

両者の料金は、同じAnthropicのプランで一部共通する部分と、別建ての部分があります。

ブラウザ版 Claude.ai

  • 無料プラン(機能制限、回数制限あり)
  • Pro プラン(月額20ドル前後)
  • Max プラン(月額100ドル前後)
  • Team プラン(法人向け)

無料でもとりあえず使えるのが特徴です。

Claude Code

  • 無料利用はなし(Anthropic API キーまたはサブスクリプション必要)
  • Pro / Max / Team の各プランに含まれる(同じプランで両方使える)
  • もしくは API キー従量課金

Proプランを契約すると、claude.aiもClaude Codeも両方使えるので、「どちらに加入するか」で悩む必要はありません。両方を1つのサブスクで賄えます。

逆に言うと、Claude Codeの試用は実質有料スタートになります。私の研修参加者は、まずProプランに1ヶ月入って両方触る、というパターンが大半です。「無料で試してから決めたい」という人は、Claude.aiの無料枠から入って、CLI版に進むときに有料化する流れがおすすめ。

どちらを使うべきか — 3つの判断軸

最後に、選び方の判断軸を3つ。

第一に、ローカルファイルを触る作業が多いかどうか。日報、議事録、Excel、コードなど自分のPCの中で完結する作業が中心ならClaude Code、調べものや単発の文章相談が中心ならClaude.aiで十分です。

第二に、ターミナルへの抵抗感。黒い画面に抵抗があれば、まずClaude.aiから入って、慣れたらClaude Codeへ。VS Codeの中で動かせば黒い画面っぽさは大きく薄まります。

第三に、繰り返し作業の自動化欲求。「毎週同じ作業を半自動化したい」と思ったら、Claude Codeに移ったほうが早い。スラッシュコマンドやサブエージェントで定型化できます。

私の研修参加者を観察していると、最初の2週間はClaude.aiで「便利な相棒」として慣れて、3週目あたりからClaude Codeに移って「自分の作業環境にAIを置く」感覚に進むケースが多いです。最初からCLIに突っ込まず、段階を踏むほうが定着率は高い。

まとめ

  • 裏のAIモデルは同じClaude。違いはインターフェース
  • claude.aiは「会話で完結する作業」向け、Claude Codeは「自分のPCでの作業をAI同伴でやる」向け
  • Claude Codeはファイル直接編集・コマンド実行・MCP・ブラウザ自動化までできる
  • 料金はAnthropicの同じプランで両方使える。試すならまずProで2週間
  • 選び方の軸はローカル作業頻度・ターミナル耐性・自動化欲求