2026年4月16日、Anthropicが新しいモデル「Claude Opus 4.7」を出しました。

AnthropicからのリリースをXで見たのが仕事の合間で、正直に言うと「またバージョン上がったんだ」くらいの感想でした。4.6から4.7。数字だけ見ると、そんなに大きな変化には思えません。

でも、1週間使ってみたら印象が変わりました。細かいところで、確かに仕事のやり方が少し変わった。この記事は、非エンジニアの立場で1週間Opus 4.7を触った筆者が、「どこがどう違うのか」「何がすごいと言われているのか」を整理した記録です。

そもそもClaude Opus 4.7とは

ClaudeはAnthropicが作っている対話型のAIで、その中で一番性能が高いフラッグシップモデルが「Opus」シリーズです。

  • 軽量でスピード重視 → Haiku
  • バランス型 → Sonnet
  • 最上位、じっくり考える → Opus

Opus 4.7は、このOpusシリーズの最新版。前モデルはOpus 4.6で、2026年初頭に出たばかりでした。つまり4カ月ほどで次のバージョンが投入されたことになります。

ざっくり言えば、「考える力がさらに上がって、画像の読み取りも強くなり、料金は据え置き」 というのがOpus 4.7の立ち位置です。

数字で見る「どこが変わったか」

公式が出している変化のうち、特にわかりやすい3つをピックアップします。

ベンチマークの伸び

  • SWE-Bench Verified(ソフトウェア開発タスクの精度) — 80.8% → 87.6%
  • GPQA Diamond(大学院レベルの難問) — 91.3% → 94.2%

ベンチマーク名は正直ピンと来ない人が多いと思います。ざっくり「複雑な課題を最後まで解ききる確率が、10%ほど上がった」くらいのイメージで大丈夫です。

画像の処理性能

長辺の最大解像度が、従来モデルの約3.3倍になりました。スマホで撮った会議ホワイトボードの写真や、細かい図が載ったPDFを読ませたときの精度が大きく変わっています。

コンテキスト(一度に読み込める量)

Opus 4.6と同じ100万トークン(約75万字、日本語の新書7〜8冊相当)。ここは据え置きですが、「長文を読ませたときの理解の安定度」が上がっているのが体感として大きい。

筆者が一番驚いたのは「長文を読ませたとき」

実は、数字で見ると派手な変化はないように感じていました。1週間試すまでは。

最初に効果を感じたのは、ある日の仕事で100ページ超のPDFマニュアルを読ませたときです。

これまで(Opus 4.6)は、こういう長いドキュメントを一度に読ませると、後半にいくほど前半の情報を忘れているような返しが増えていました。30ページ目の内容について聞くと、「そのページには書かれていません」と返ってきて、実際には書いてある、ということがちょこちょこ。

Opus 4.7に同じPDFを読ませて、同じ質問をぶつけたら、普通に答えてきました。「ご指摘の内容は34ページ目の表に書かれています」と。

これは公式の発表でも触れられていて、長いコンテキストの中での一貫性が改善された とされています。Anthropic社内のリサーチエージェントベンチマークでは、6モジュール中で最高スコアタイになったそうです。

日常的に数百ページの資料を扱う人(法務、リサーチ、コンサル、監査など)にとっては、ここが地味に効くと思います。

画像の読み取りが強くなった実感

もう一つ、体感として変わったのが画像処理。

試しに、ホワイトボードに書き殴った打ち合わせメモの写真 を読ませました。手書きの文字、矢印、囲み線が混ざったやつです。

Opus 4.6で同じ写真を読ませた時は、文字の一部を取り違えたり、矢印の向きを逆に解釈したりすることがありました。Opus 4.7は、このレベルの手書きメモを、構造ごと読み取ってテキストに起こしてくれます。

  • 矢印の方向
  • どの箱とどの箱がつながっているか
  • 補足として書かれた小さな文字

この辺りの判別精度が、明らかに上がっていました。

Anthropicの発表では、画像の長辺を最大2,576ピクセル(約3.75メガピクセル)まで受け付けるようになったとあります。サイバーセキュリティ分野で画像認識を使っていたある早期アクセスのパートナーは、視覚認識の精度が54.5% → 98.5% に跳ね上がったそうです。

私の業務では、会議資料のスクショから項目を整理する、みたいな用途で恩恵を感じました。

料金は前モデルと同じまま

これ、けっこう大きい話です。

Opus 4.7は料金が入力100万トークンあたり5ドル、出力100万トークンあたり25ドル。これは前のOpus 4.6とまったく同じ。

AIモデルの業界、性能が上がると料金も上がることが多いのですが、今回は性能が伸びて料金据え置き。普段からAPI経由でClaudeを使っている人からすると、ただ乗り換えればそのまま恩恵を受けられるという状況です。

Claude CodeやClaude Desktopなどの製品から使う場合は、すでにOpus 4.7が使えるように更新されています。特別な手続きなしで、最新版に切り替わります。

新しい「xhigh」と「ultrareview」

細かい話ですが、開発者向けに2つ新機能が追加されています。

xhighエフォートレベル

Opusには「どれくらい深く考えるか」を指定できる設定があります。これまでは high と max があったのですが、その間に「xhigh」が新しく追加されました。max ほど時間はかけたくないけど、high では物足りない、という場面用の中間ギアです。

ultrareviewコマンド

Claude Code(開発者向けの対話ツール)に新しく追加されたコマンドで、コード内のバグをじっくり洗い出させる 用途のもの。普段のレビューより深く、時間をかけて読むモードです。

この2つは非エンジニアには直接関係ないのですが、「より丁寧に考えさせるオプションが増えている」という方向性は共通しています。

非エンジニアが乗り換えるべきか

ここまでの話をまとめると、Opus 4.7の変化はこんな感じです。

  • 長文を読ませた時の精度が安定した
  • 画像の読み取り精度が大幅に上がった
  • 料金は据え置き
  • 日々使うClaude製品では自動で新バージョンに切り替わっている

つまり「あなた側で特に何もしなくても、ある日から少し賢くなっている」という状態。Claude DesktopやClaude Codeを使っている人は、意識せず恩恵を受けます。

私が体感して「これは助かった」と思ったのは、長文PDFの読み込み手書きメモ画像の文字起こし の2つでした。ここがあなたの日常業務にあるなら、Opus 4.7は使う価値があります。

逆に、メール文面の校正や短い翻訳程度なら、Sonnetでも十分。「全部Opus 4.7にしろ」というわけではありません。

まとめ

Claude Opus 4.7を1週間触ってわかったのは、派手な新機能というより地味な底上げ が効いてくるタイプのアップデートだということ。

  • 長い資料を扱う仕事 → 読み込みの安定度が上がって作業が楽になった
  • 画像を扱う仕事 → 手書きや複雑な図の読み取り精度が上がった
  • 料金を気にする人 → 据え置きなのでただ乗り換えればいい

新しいおもちゃを与えられた感じではなく、いつもの道具がちょっと手になじんだ感じ。けっこう、そういう変化の方が仕事には効きます。

「Opus 4.7ってすごいの?」と聞かれたら、私は「派手ではないけど、長文と画像を扱うなら確実に楽になる」と答えます。