Claude Codeに長い指示をタイプしていると、ある時点で疲れます。「これ、しゃべって伝えられたら楽なのに」と思った経験はありませんか。私はあります。研修先でも、タイピングが苦手な方から音声入力の希望をよく聞きます。

実は2026年3月から、Claude Code本体に公式の音声入力機能が入りました。この記事は、その使い方と、向き不向きを整理したものです。

/voice が公式機能として入っている

ターミナル(コマンドを打ち込む文字だけの画面)でClaude Codeを起動し、プロンプトで /voice と打つと音声入力モードに入ります。マイクに向かって話すと、しゃべった言葉がそのまま入力欄に文字起こしされる、というシンプルな作りです。

リリースは2026年3月。私が試した範囲だと、ホールド(押している間だけ録音)と、タップ(一度押して録音開始、もう一度押して終了)の2種類のモードがあります。

文字起こしは Anthropic のサーバー側で行われ、Claude本体のトークンは消費しません。音声入力のためにコストが追加で発生する、という心配はしなくて大丈夫です。

使える条件と使えない条件

ここを最初に握ってください。/voice を使えるのは、Claude.aiアカウントでログインしている人だけです。プランは Pro / Max / Team / Enterprise のいずれかであれば対応しています。

逆に、AnthropicのAPIキーを直接設定して使っている場合や、AWS Bedrock / Google Vertex AI / Microsoft Foundry 経由でClaude Codeを動かしている場合は、/voice は使えません。これらの構成では、OS機能や別ツールの音声入力に頼る必要があります。料金プランの全体像は別記事にあります。

「APIキー運用のチームで、/voice を期待していたのに動かない」というのは、企業導入の現場でつまずきやすいポイントです。

/voice で足りない時のOS機能

/voice を使える環境でも、足りない場面は出ます。たとえばClaude.aiアカウントが用意できないチームや、固有名詞の認識精度がいまひとつな業界用語の多い仕事など。

その場合は、OSが持っている標準のディクテーション(話した言葉を文字に起こしてくれる機能)が次の候補です。macOSなら「音声入力」、Windowsなら「音声認識」。設定でショートカットを割り当てれば、どの画面でも呼び出せます。

精度は思っているより悪くなく、私の感覚では7〜8割は一発で通ります。固有名詞は弱いので、変換後に手で直す作業がちょっと残ります。

Whisperベースのツールで精度を上げる

OS標準ディクテーションでも物足りなければ、Whisperベースの音声認識ツールに切り替える手があります。

Whisper(音声を文字に変換するAIの本体)はOpenAIが公開している音声認識モデルで、英語や技術用語の認識精度が高く評価されています。自分のパソコンの中で完結する(ローカル)ツールや、ネット越しに使う(SaaS型)ものがあります。

機密情報を外に出したくない業務用途では、ローカル版が一択になります。ローカルでAIモデルを動かす全体像は別記事にも書きました。

デスクトップアプリで日本語入力のクセを避ける

ターミナルだと日本語入力で詰まる場面があります。/voice でも、変換中の文字列が確定前に送信される事故が起きやすい。これを避けたければ、Claude Codeのデスクトップアプリを使うのも一つの手です。

日本語入力一般の話は別記事に整理しました。

私の使い分けの落としどころ

参考までに書きます。

短い指示や、決まったコマンドの実行はタイピング。コードの修正方針を考える時の長い説明や、議事録の整形依頼のような口頭で出すと楽な指示は /voice。気分や体調でも切り替えます。長く座って手が痛い日は音声寄り、頭が冴えている朝はタイピング寄り、というふうに。

研修先のマーケティング担当の方は、メール文面の下書きや、ブログ記事の構成を口でしゃべってClaudeに整形させる使い方をしていました。タイピングが追いつかない速度の思考を、Claudeに受け止めてもらう、という発想です。これは私もよく真似しています。

まとめ

  • 2026年3月から公式の /voice が入り、CLI上で音声入力ができる
  • 使える条件はClaude.aiアカウント+Pro/Max/Team/Enterpriseプラン
  • APIキー直接利用やBedrock/Vertex/Foundry経由では /voice が使えない
  • 文字起こしはAnthropic側で行われ、Claudeのトークンは消費しない
  • 補完役にOS標準ディクテーション、精度が要るならWhisperベースのツール
  • 議事録整形やメール下書きのような長文系で、音声入力が効きやすい