「Claude Codeのレビュー、もっと本気で見てもらいたい時ありますよね」 — チームメンバーからの相談です。/review でセルフチェックは習慣化したけれど、マージ直前にもう一段深く見てほしい場面がある。
その用途に応える新機能が ultrareview(/code-review ultra)です。この記事は、その中身と使いどころを公式ドキュメントベースで整理したものです。
ultrareviewはクラウドで動く多エージェントレビュー
ultrareviewは、Claude Code v2.1.86以降で使えるコマンドのひとつ。/code-review ultra と打つと、ブランチ(作業の枝分かれ単位)やPR(変更案)のコードレビューを、クラウド側のサンドボックス(隔離環境)で多数のレビュー専門エージェントが並列で走る仕組みです。/ultrareview は同じコマンドのエイリアス(別名)として残っています。
ローカルでさっと走らせる /review と違って、ultrareviewはクラウドで動き、検出した問題を別エージェントが独立に再現・検証してから報告する作りです。報告される指摘は「実際のバグ」中心で、スタイル提案のような軽い指摘は基本的に省かれます。
ローカルの/reviewとの違い
両者を表で並べます。
観点 |
|
|
|---|---|---|
動く場所 | 手元のセッション内 | クラウドのサンドボックス |
深さ | 単一パスのレビュー | 多エージェントで網羅+独立検証 |
所要時間 | 数秒〜数分 | おおむね5〜10分 |
費用 | ふだんの利用枠で消費 | 無料枠後は使用クレジットで$5〜$20/回 |
向く場面 | 作業中の素早いフィードバック | マージ前の本気の検査 |
「日々の作業中は /review、マージ前は /code-review ultra」という棲み分けが基本になります。/review の使いどころは別記事に整理しました。
起動の仕方とPR指定
CLI(コマンドを打って動かす素の状態)から /code-review ultra を打つと、引数なしでは現在のブランチと既定ブランチの差分(変更内容の比較)が対象になります。未コミット(まだ正式に保存していない変更)の作業内容も含めて束ねてクラウドに送られる仕組みです。
GitHubのPR(変更案)を直接指定することもできます。
/code-review ultra 1234
PR番号を引数に渡すと、クラウド側がそのPRをGitHubから直接クローンして、検査します。リポジトリが大きすぎてローカルから束ねられない時は、PR指定モードに切り替える運用が推奨されています。GitHub MCPサーバーと併用する場合の整理は別記事にも書きました。
料金と無料枠
ultrareviewは、ふだんのプラン枠とは別の使用クレジットから引かれる「premium」扱いです。
プラン | 無料枠 | 無料枠後 |
|---|---|---|
Pro | 3回(一度きり) | 使用クレジット $5〜$20/回 |
Max | 3回(一度きり) | 使用クレジット $5〜$20/回 |
Team / Enterprise | なし | 使用クレジット $5〜$20/回 |
ProとMaxの無料枠3回は、アカウントあたり一度きりの付与で、月次でリセットされません。一度走り始めると、途中で止めたり、失敗・タイムアウトで終わったりしても、その1回はカウントされる仕様。軽い気持ちで叩かないのが安全です(課金された有償ランの場合は、走った分のみ使用クレジットから引かれます)。
料金プランの全体像は別記事にあります。
使えない環境がある
ここを最初に握ってください。ultrareviewはClaude.aiアカウントの認証が要ります。APIキーだけで動かしている人は、先に /login してClaude.aiにつなぐ必要があります。
そして、次の環境では使えません。
- Amazon Bedrock 経由のClaude Code
- Google Cloud Vertex AI 経由のClaude Code
- Microsoft Foundry 経由のClaude Code
- Zero Data Retention(送ったデータをAnthropic側で保持しない設定)を有効化している組織
企業導入で「うちはBedrock経由で動かしている」というケースだと、ultrareviewは選択肢に入らない、というのは押さえておく必要があります。導入の進め方そのものは別記事に。
バックグラウンドで走ってCIにも組み込める
ultrareviewはバックグラウンドタスクとして動きます。レビューが走っている間も、別のClaude Code作業を続けられる。終わったら通知で結果が届く流れです。/tasks で進行中・完了済みのレビューを一覧できる仕組みも用意されています。
非対話モードもあります。claude ultrareview というサブコマンドをスクリプトやCI(継続的インテグレーション=自動テストの仕組み)から呼ぶと、終了するまでブロックして結果をstdout(標準出力)に流す。--json で機械可読な形にも切り替えられます。GitHub MCP・PR運用と組み合わせる流れと相性がよく、レビューを自動化する余地が広がります。
まとめ
- ultrareviewは
/code-review ultraで起動するクラウド多エージェントコードレビュー - ローカルの
/reviewと棲み分け。マージ前の本気の検査向き - ブランチ差分とPR指定の2モード。PRはGitHubからクラウドが直接クローン
- 所要時間は5〜10分、Pro/Maxは3回無料、その後は$5〜$20/回の使用クレジット
- Bedrock/Vertex/Foundry経由とZero Data Retention組織では使えない
- バックグラウンド実行・CI連携も可能で、レビュー自動化の幅が広がる





