Claude Codeを使いはじめた頃、私は思いついたものをいきなり「作って」と投げていました。だいたい、想像と違うものが返ってきます。あるとき順番を変えて、作る前に頭の整理を手伝ってもらうようにしたら、結果が安定しました。今日はその「要件定義」の頼み方の話です。
いきなり作らせない、が近道
要件定義というと堅く聞こえますが、要は「何を、誰のために、どこまで作るか」をはっきりさせる作業です。
人に仕事を頼むときも、ふわっとした依頼だと的外れなものが上がってきますよね。AIも同じです。「こんなアプリが欲しい」だけで走らせると、こちらの頭の中の前提が伝わらないまま、Claudeが想像で埋めて進んでしまう。だから、作る前に一度、目的と中身をそろえる。この一手間が、結局いちばんの近道です。
ぼんやりした考えを整理してもらう
うまいのは、整理そのものをClaudeに手伝ってもらうことです。完璧な仕様を自分で書く必要はありません。
たとえば、こう頼みます。「小さな店の予約管理の仕組みを作りたい。まだ考えがまとまっていないので、目的・使う人・必要な機能を整理するために、私に質問しながら詰めていってほしい」。すると、Claudeが足りない部分を質問してくれるので、それに答えるだけで、考えが形になっていきます。
一人で白紙に向かうより、問いに答えるほうがずっと楽です。頼み方のコツそのものは、こちらも参考になります。
何を決めておくと迷わないか
質問に答えるといっても、どんなことを決めればいいのか見当がつかない、という声もあります。最低限、次の4つがはっきりすれば、たいていの小さな作りものは前に進みます。
- 目的 … 何のために作るのか(例 予約の電話対応を減らしたい)
- 使う人 … 誰が使うのか(例 店員とお客さん)
- 必要な機能 … 何ができればいいのか(例 空き状況の表示と予約の登録)
- やらないこと … あえて今回は作らない範囲(例 支払い機能は今回は入れない)
とくに最後の「やらないこと」を決めておくと、あれもこれもと膨らんで完成しなくなる事故を防げます。全部をClaudeに質問で埋めてもらってもいいですが、この4つを意識しておくと、答えるときに迷いません。
プランモードで、作る前に相談する
この「作る前の相談」に向いた仕組みが、プランモードです。
プランモードは、実際に手を動かす前に、Claudeがまず計画を立てて見せてくれるモードです。いきなりファイルを作りはじめるのではなく、「こういう段取りで進めます」という案を先に出す。その案を見て、違えばその場で直せます。要件を詰める段階では、この「作らずに相談する」状態がちょうどいい。
思いつきをそのまま投げて失敗した私の反省から言うと、プランモードで一度立ち止まるだけで、あとの手戻りがかなり減ります。
決まった内容はファイルに残す
整理して決まったことは、その場かぎりにせず、ファイルに残しておくのがおすすめです。
「ここまで話した要件を、requirements.mdというファイルにまとめておいて」と頼めば、Claudeが文書にしてくれます。残しておくと、次に作業を再開したときに、また一から説明し直さずにすみます。プロジェクトの前提を書いておくCLAUDE.mdと同じ発想です。
このファイルは、作りながら育てていくものと考えると気が楽です。最初から完璧である必要はありません。作っているうちに「やっぱりこの機能も要る」と気づいたら、その都度書き足していく。要件のメモが手元にあるだけで、途中で方針がぶれたときの立ち返る先になります。チームで進めるなら、この一枚を共有しておくと、認識のずれも減ります。
整理してから、作る
決まった要件をもとに、あらためて「この内容で作って」と頼めば、最初からいきなり投げたときより、ぐっと狙いに近いものが返ってきます。
私の実感では、要件定義に10分かけると、そのあとの作り直しが何十分も減ります。急がば回れ、です。最初のうちは面倒に感じますが、二、三度やれば、この順番のほうが速いと体で分かってきます。まずは次に何か作りたくなったとき、いきなり「作って」と言う前に、「一緒に要件を整理して」と一言添えてみてください。返ってくるものの精度が変わります。





