「Claude Codeにプラグインを入れたいんですけど、どこからインストールするんですか」と聞かれて、はじめは私もうまく答えられませんでした。VS Codeの拡張のような中央のマーケットプレイスがあるわけでもなく、brew install のように一行で入る仕組みでもない。それでも「プラグイン」という言葉が独り歩きしている、というのが2026年5月時点の状況です。
この記事では、Claude Codeにおける「プラグイン」とはそもそも何で、どうやって増やしていくのかを、半年使った経験から整理します。
プラグインは「機能を後付けで足す部品」の総称
Claude Codeには厳密な意味での「プラグイン機能」はまだありません。コミュニティでプラグインと呼ばれているのは、次の3種類のいずれかを指していることがほとんどです。
- カスタムスラッシュコマンド —
.claude/commands/{名前}.mdに手順を書くと/{名前}で呼べる - サブエージェント —
.claude/agents/{名前}.mdに役割を書くと特定タスク専用のAIとして呼べる - MCPサーバー — 外部ツール(Notion、GitHub、Figma、Slackなど)へ接続するための拡張
VS Codeでいう「拡張機能」に近い感覚で語られますが、実態はそれぞれ別の仕組みです。Anthropicの公式ドキュメントでも「プラグイン」という単一の章はなく、上記3つの章に分かれています。
私は最初、「プラグインマーケットがどこかにあるのだろう」と数時間探し回って、結局見つからず諦めました。3つの実体を区別すると一気に視界が開けるので、最初に整理しておく価値があります。
一番手軽なのはカスタムスラッシュコマンド
3つのうち、非エンジニアが最初に作るべきはカスタムスラッシュコマンドです。Markdownファイルを1つ置くだけで動きます。
mkdir -p .claude/commands
cat > .claude/commands/giji.md << 'EOF'
# 議事録整形
このプロジェクト直下にある `meeting.txt` を読んで、次のフォーマットに整形してください。
- 日付
- 参加者
- 決定事項(箇条書き)
- 次回までのアクション(担当者と期日つき)
EOF
これで claude を起動したあと /giji と打つと、上の指示が呼び出されます。ファイル1つで「自分専用のプラグイン」が動く、これがClaude Code流の拡張のいちばんやさしい形です。
私は研修先で、経理担当の方に最初の自作スラッシュコマンドを15分で作ってもらったことがあります。「/keihi で領収書フォルダを読んで月次集計を出す」という素朴なものでしたが、本人いわく「Claude Codeが急に自分の同僚になった気がした」とのこと。Markdown1ファイルで体験が変わる装置だ、というのは伝わりやすい説明です。
役割を持たせたいならサブエージェント
スラッシュコマンドが「手順書」だとすると、サブエージェントは「役割を持った専用スタッフ」です。.claude/agents/{名前}.md に役割定義を置いておくと、メインのClaudeから /agents で呼び出して、特定のタスクだけを任せられます。
サブエージェントが効くのは、繰り返し発生する作業で、毎回同じ前提や口調で動いてほしい時です。たとえば次のような4種類を私は常備しています。
- 提案書ドラフト担当 — 顧客情報からひな型を作る
- 議事録整形担当 — 録音文字起こしを構造化する
- SEOレビュー担当 — 文体ガイドに沿って記事を添削する
- 経費精算チェッカー — 領収書の分類と金額確認
スラッシュコマンドとの違いは、「サブエージェントは独立した会話履歴を持つ」ところ。メインのClaudeが文脈を抱えすぎている時に、サブエージェントへ仕事を渡すと、独立した素直な脳で取り組んでくれます。
私は議事録整形担当を作るまで、毎回メインのClaudeに「以下のフォーマットで…」と指示し直していました。30分くらいの手間が、サブエージェント化したあとは /agents 一発で済みます。
MCPサーバーで外部サービスをつなぐ
3つ目がMCPサーバー、つまり外部サービスとの接点です。NotionやGitHub、Slack、Figmaなどに接続するためのサーバーをローカルやリモートに立てて、Claude Codeから呼び出します。
たとえばNotion MCPを設定すると、Claude Codeが直接Notionのページを読み書きできるようになります。「先週の議事録Notionページを読んで、来週のアジェンダを作って」のような指示がそのまま通る。
// ~/.claude/mcp.json の一例
{
"mcpServers": {
"notion": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@notionhq/notion-mcp-server"],
"env": {"NOTION_TOKEN": "secret_xxx"}
}
}
}
MCPはやや上級者向けです。設定ファイルの編集と、対象サービス側のトークン発行が必要なので、最初の壁は高め。ただし一度繋ぐと、業務システムとClaude Codeが地続きになるので、効果は大きいです。
プラグインを社内で配るには Git に置く
自分で作ったスラッシュコマンドやサブエージェントを、社内メンバーに配りたい場面は必ず出てきます。やり方はシンプルで、.claude/ ディレクトリを Git リポジトリにコミットして共有するだけです。
your-team-repo/
├── .claude/
│ ├── commands/
│ │ ├── giji.md
│ │ ├── teiana.md
│ │ └── keihi.md
│ └── agents/
│ ├── proposal.md
│ └── invoice-checker.md
├── CLAUDE.md
└── ...
メンバーが各自このリポジトリを git clone して、その中で claude を起動すると、配布したスラッシュコマンドとサブエージェントがすぐ使えます。VS Codeの拡張のように「マーケットからダウンロード」ではなく、「リポジトリで持ち回る」のがClaude Code流の配布です。
私のチームでは、共有用の team-claude-toolkit というリポジトリを別に持っていて、各案件のリポジトリから git submodule で参照しています。これだと案件ごとに微修正があってもベース部分が崩れない。
既存のオープンソースプラグイン集を覗いてみる
GitHubで awesome-claude-code のような有志のまとめリポジトリを検索すると、コミュニティが公開しているスラッシュコマンド・サブエージェント・MCPサーバーの実例が大量に集まっています。ここから気に入ったものを .claude/ 配下にコピーして調整するのが、自作よりも速い場合があります。
私は最初の3ヶ月、自作にこだわって時間を溶かしました。「他人のを読んでパクるほうが早い」と切り替えてから、自分の手元の .claude/ がやっと充実してきました。
まとめ
- Claude Codeの「プラグイン」は、カスタムスラッシュコマンド・サブエージェント・MCPサーバーの3つの総称
- 最初に作るならカスタムスラッシュコマンド。Markdown1ファイルで動く
- 繰り返し作業をAI担当者に任せたいならサブエージェント
- 外部サービスと繋ぎたい段階になったらMCPサーバー
- 社内配布は
.claude/をGitリポジトリにコミットする方式 - ゼロから作るより、awesome-claude-codeなど既存実装を流用するのが早い





