提案資料を作るたびに、 PowerPointで2時間溶かす のが日常になっていました。

文字を打つ → フォント揃える → 矢印を引く → 色を整える → ページ番号を入れる。本当に時間を使うべきは「中身を考える」ことのはずなのに、見た目の作業に時間が吸い取られていく。

これがClaude Code + Marp の組み合わせを試してから、 30分 で同じクオリティの資料が出るようになりました。3週間続けて、もうPowerPointに戻れない感覚。

今日はこのワークフローを、非エンジニア視点で書きます。

Marpって何?という人向けの最短説明

Marpは、 Markdownで書いた文章を自動でスライドにしてくれるツール です。

「Markdownって何」という人も心配いりません。要するにこういう書き方。

# 1ページ目のタイトル

ここが本文です。

---

# 2ページ目のタイトル

- 箇条書きも書けます
- 改行も自然

--- で区切ると、それがページ分割になる。これだけ。装飾は テーマファイル が勝手にやってくれるので、自分で色やフォントを決める必要がない。

PowerPointと違って、 見た目に手を入れる作業がほぼゼロ で、原稿に集中できる。これが何より大きい。

なぜClaude Codeと相性がいいのか

Claude Codeは「日本語で頼むと文章を生成してくれる道具」。Marpは「Markdown文章をスライドにしてくれる道具」。

つまり、 Claudeに『これこれの内容で提案スライドのMarkdownを書いて』と頼むと、Marpがそのまま読み込める形式で出してくれる

具体的にはこんなプロンプトを投げるだけ。

営業向けに「Claude Codeの導入提案」のスライドをMarp形式で書いて。
- ターゲットは中小企業の総務担当
- 全6枚
- 1枚目はタイトル、2-5枚目で内容、6枚目はまとめ
- 数値は具体的に
- 控えめなビジネストーン

Claudeが返してくる .md ファイルをVS Codeで開いて、Marp拡張機能でプレビューを表示。これだけで、 配布できる品質のスライド がスクリーンに表示されます。

セットアップは5分で終わる

必要なのは3つ。

1つ目 — VS Code(無料) をインストール。Microsoftが配っている人気のエディタです。

2つ目 — Marp for VS Code拡張 をインストール。VS Code起動後、左側の拡張機能アイコンから「Marp」で検索して入れる。

3つ目 — Claude Code はすでに使っている前提。

これで準備完了です。私の場合、Claude Codeにいつものように依頼を投げて、出力された .md ファイルをVS Codeで開けば、 右側にスライドプレビューが自動表示される 状態になります。

実際の流れを再現すると

私が先週やった具体例。

朝9時、社内の月次定例で「次の四半期に試したいAIツール」のテーマで10分のミニ発表が必要、と前夜にメッセージが来ていた。

Claude Codeに以下を投げる。

社内月次定例で、10分のミニ発表用Marpスライドを作って。
- テーマ「次の四半期に試したいAIツール」
- 全7枚
- 1枚目タイトル、2枚目背景、3-5枚目で3つのツール紹介、6枚目で導入計画、7枚目まとめ
- 紹介するツールはClaude Code、Notion AI、Cursor
- それぞれ「何ができる」「想定コスト」「導入の手間」を簡潔に
- 内輪向けで堅すぎないトーン

40秒くらいで .md ファイルが出力された。VS Codeで開いてプレビューを確認すると、 そのまま発表できる構成 で7枚並んでいる。

そこから細かい修正を3〜4箇所だけ手で入れて、PDFにエクスポート。完了したのが朝9時20分。 20分で発表資料1本完成。PowerPointだと普通に2時間コースの内容です。

向いている資料・向かない資料

3週間使ってみて、向き不向きが分かってきました。

向いている

  • 社内向け定例資料
  • 営業先への簡易提案書
  • 勉強会・LT登壇のスライド
  • 議事録の口頭共有用ダイジェスト
  • 見積もり・概要説明
  • 数十枚程度の中規模資料

向いていない

  • グラフィカルな広告資料(画像中心、デザイン凝る)
  • インタラクティブ要素を多用したい資料
  • アニメーションを多用するもの
  • 見栄えが命の対外プレゼン(超大型商談など)

要するに、 「中身が9割、見た目が1割」の資料 に向いています。逆に、 「見た目が成果に直結する資料」 はPowerPointやKeynoteのほうが合います。

私の業務だと、9割以上が前者なので、Marpで十分。

出力形式 — HTML、PDF、PowerPoint

意外に知られていないのが、 PowerPoint(.pptx)形式でも出せる こと。

VS Codeのコマンドパレットから「Marp Export」を呼んで、形式を選ぶだけ。

  • HTML — Webにアップして共有したい時
  • PDF — 資料配布の標準
  • PPTX — クライアントが「PowerPointで送って」と指定してきた時の保険

私はPDFがメインですが、 「PowerPoint形式で送ってほしい」と言われた時用にPPTXも出せる のがありがたい。Marpを使っていることをクライアントに知らせなくていい。

Skills化すれば「スライド作って」の一言で動く

Claude CodeのSkills機能を使うと、 スライド作成のテンプレを名前付きで登録 できます。

例えば /proposal-slide という名前のスキルを作っておいて、中身に「Marpで提案スライドを作る時の流儀」を仕込む。

/proposal-slide AIツール導入提案を6枚で

これだけで、テンプレに沿ったスライドが自動生成されます。

毎週同じような資料を作っている人は、 作業時間が更に半分 になる感覚です。私は「営業提案」「社内月次」「勉強会LT」の3パターンをSkills化しています。

注意点 — 表紙画像とテーマカスタマイズ

完璧ではない部分も書いておきます。

1つ目 — 表紙画像が必要なら自分で挿入

ロゴや表紙写真は、Claudeが直接挿入できないので、生成された .md ファイルに自分で ![](画像パス) を追記します。1分で済む作業ですが、忘れがち。

2つ目 — テーマのカスタマイズはCSS知識が要る

デフォルトのテーマでも十分綺麗ですが、独自カラーや独自フォントを使いたい場合は、CSSを書く必要があります。これは非エンジニアにはやや壁。

ただし、 Claudeに「会社のブランドカラーは #003366 で、フォントは游ゴシックで、と指定してテーマCSSを書いて」と頼めば 一発で出してくれる。CSS自体を読み書きする必要はない、というのがまた便利なところ。

まとめ

  • Claude CodeとMarpの組み合わせで、スライド作成時間が 2時間 → 30分 になった
  • 必要なのはVS Code + Marp拡張 + Claude Code、 5分でセットアップ完了
  • ClaudeにMarp形式の .md を出力させて、VS Codeで開くだけで配布クオリティ
  • 向いているのは「中身が9割、見た目が1割」の社内資料・提案書・LT
  • 出力はHTML / PDF / PPTX、 PowerPoint形式でも出せる
  • Skills化すれば毎回のテンプレ呼び出しが「一言で完結」
  • ロゴや独自テーマも、Claudeに頼めばCSSまで書いてくれる

提案資料に時間を奪われている方は、今週末に試してみてください。月曜の朝、 資料作成が苦しい仕事ではなくなっている はずです。