Claude Codeという名前のせいで損をしていると思うことがあります。「コード」と付いているだけで、文書仕事に使えることが伝わらないんです。研修でも「私はプログラムを書かないので関係ないですよね」と言われるたびに、画面を見せながら説明してきました。

実際のところ、私がClaude Codeで作っているものの半分以上はドキュメントです。議事録、手順書、提案書の下書き。この記事では、その頼み方を実例で見せていきます。

なぜワープロではなくClaude Codeで書くのか

前提だけ一言。Claude Codeは、文字だけの黒い画面(ターミナル)に日本語で話しかけて使う道具です。導入がまだなら、初期設定の記事から始めるのが近道です。

チャット型のAIでも文章は作れます。それでもClaude Codeを使う理由は、ファイルとして直接書いてくれるからです。

チャットで作った文章は、コピーして、貼り付けて、体裁を直して、名前を付けて保存する手間が残ります。Claude Codeなら「meeting-notes フォルダに今日の議事録を作って」で、フォルダの中にファイルができるところまで終わります。文書が10本、20本と増えてくると、この差が効いてきます。

最初の一本は議事録から

ドキュメント作成の入り口としておすすめなのが議事録です。素材(会議のメモや文字起こし)があるので、ゼロから書かせるより失敗しにくい。

頼み方はこうです。文字起こしのテキストファイルを作業用のフォルダに置いて、「この文字起こしから議事録を作って。決定事項、宿題(担当者と期限)、次回持ち越しの3部構成で」と指示します。構成を先に指定するのがコツで、これを省くと毎回違う形の議事録が出てきます。

私は最初のころ構成を指定せず、「先週と形が違う」と確認役の同僚に毎回直されていました。3部構成を言葉で固定してからは、直しがほぼゼロになっています。

手順書は「自分がやって見せて」から書かせる

社内手順書のような「暗黙知を文字にする」文書は、いきなり書かせると一般論の塊が出てきます。

うまくいったのは、自分の作業ログを渡すやり方です。経費精算なら、実際に精算しながら操作を箇条書きでメモし、それを渡して「新入社員向けの手順書に清書して。つまずきやすい箇所には注意書きを」と頼む。素材が実体験なので、出てくる手順書も現場に即したものになります。

清書した文書は、そのまま図解に発展させることもできます。業務の流れ図が必要なら、draw.io形式で図を作らせる方法を別記事にまとめています。

文体がバラつくならCLAUDE.mdにルールを書く

ドキュメントが増えてくると、今度は文体の揺れが気になりはじめます。ある日は「です・ます」、ある日は体言止め。書き手(AI)は同じなのに、指示のたびに雰囲気が変わる。

これはCLAUDE.mdというファイルで解決できます。作業用のフォルダに置いておくと、Claude Codeが毎回最初に読んでくれる指示書です。「文書はすべて、です・ます調」「見出しは3階層まで」「日付はYYYY-MM-DD形式」のような文書ルールをここに書いておけば、頼むたびに言い直す必要がなくなります。

ひな形ファイルを一つ用意して「新しい議事録はtemplates/minutes.mdの形式に合わせて」とCLAUDE.mdに書いておく運用が、私の周りではいちばん安定しています。

作った文書を配れる形にする

Markdown(飾りの少ないテキストだけで書く形式)で書かれた文書は、そのままでは配布に向かない場面もあります。ここも出口はそろっています。

スライドにしたければ、Marpという仕組みでPowerPoint代わりの資料にできます。

作業のやりとりごと記録として残したいときは、エクスポート機能があります。

配布形式の変換まで含めて一つの流れにしておくと、「作る」から「渡す」までがフォルダの中で完結します。

向いていない文書もある

念のため書いておくと、何でも任せられるわけではありません。人事評価や謝罪文のような、書き手の責任がそのまま問われる文書は、下書きまでにとどめて必ず自分の言葉で仕上げるべきです。また、社外秘の情報を扱う場合は、会社のルールで許可された範囲かを先に確認してください。

そこさえ守れば、議事録と手順書だけでも、書き物の時間は目に見えて減ります。私の場合、週に3〜4時間かけていた文書仕事が、いまは確認と手直しの1時間程度です。「コード」の名前に惑わされず、まずは議事録一本から試してみてください。