Claude Codeに長めの作業を頼んでいる最中、ふと「あれ、さっきのファイル名なんだっけ」と確認したくなることがあります。でも普通に質問すると、その後の会話にずっと残って、本筋の作業が脱線しがちです。私も以前、作業の途中で軽い質問を挟んだら、Claudeがそっちに気を取られて本来の指示を見失った、ということが何度かありました。
そういう「ちょっとだけ聞きたい」を、本筋を汚さずにできるのが /btw です。スラッシュで始まる命令(スラッシュコマンド)の一つで、英語の by the way(ところで)から来ています。
どう使うか
入力欄に /btw と打って、そのうしろに質問を書くだけです。
/btw さっき読んだ設定ファイルの名前は何だっけ
すると、答えがその場でぽんと表示されます。会話の本筋とは別の小さな画面(オーバーレイ)に出てくるイメージです。
履歴に残らないのがいちばんの利点
/btw の答えは、その場限りです。質問も回答も、本来の会話の記録には一切入りません。表示された答えは、確認したら閉じればそれで消えます。
これが地味に効きます。普通に質問すると、後の作業にずっとその往復が残り、文脈がふくらんでいきます。/btw ならそれがないので、本筋をきれいに保ったまま、横道の確認だけ済ませられます。
しかも、いまの会話の中身は全部見えています。だから、Claudeがさっき読んだコードのことでも、前に決めた方針のことでも、このセッション(Claudeを開いてから閉じるまでの一連のやりとりのまとまり)で起きたことなら何でも聞けます。コードに限らず、たとえば長い資料をまとめてもらっている最中に「さっき出てきた数字いくつだっけ」と確認する、といった使い方もできます。
Claudeが作業している最中でも聞ける
おもしろいのは、Claudeが何か処理を実行している途中でも /btw が使えることです。横からの質問は独立して動くので、本来の作業を止めません。長い処理を待っている間に「そういえばこれ何だっけ」と確認する、といった使い方ができます。
私はこの「待ち時間に軽く聞ける」のが気に入っています。待っているだけの時間を、ちょっとした確認に使えるからです。長い処理を回しながら横で確認する、という意味では、繰り返し作業を任せる /loop と組み合わせても相性がいいです。
表示された答えの扱い方
答えが出たあとの操作も、知っておくと取り回しが良くなります。
Space か Enter、Esc のどれかを押せば、答えを閉じて元の入力に戻ります。答えが長いときは Up と Down でスクロールできます。内容を残しておきたいときは c を押すと、答えをそのままコピーできます。マウスで選択すると画面の折り返しごとコピーされてしまうので、c のほうが確実です。
費用の面でも軽い作りになっています。横からの質問は、いまの会話の情報を使い回して答えるので、追加でかかる分はわずかです。気軽に何度でも聞ける、と思って大丈夫です。
できないこともある
便利な反面、/btw には制約があります。ここを誤解すると「あれ、答えてくれない」と戸惑うので、先に知っておくといいです。
/btw は、いまコンテキスト(Claudeが把握している会話の中身)にある情報だけで答えます。ファイルを新しく読んだり、コマンドを動かしたり、ネットを調べたりはできません。あくまで「もう知っていること」を聞くためのものです。
それと、オーバーレイの中では追加の質問ができません。一往復で完結します。もしその話を続けたくなったら、f キーを押すと、その質問と答えを引き継いだ新しいセッションに枝分かれ(フォーク)できます。そちらでなら、ファイルを読むなどの本格的な作業に移れます。
サブエージェントとはちょうど逆の関係
理解の助けになるので、サブエージェント(Claude Codeが裏で呼び出す別働の処理)と並べておきます。
/btw は、いまの会話は全部見えるけれど、道具(ファイル読みやコマンド)は持っていません。逆にサブエージェントは、道具はひと通り持っているけれど、まっさらな状態から始まるので、いまの会話の中身は知りません。
つまり、いまClaudeが知っていることを軽く聞くのが /btw、新しく何かを調べてきてもらうのがサブエージェント、という住み分けです。
長い作業の最中に「これ何だっけ」を、脱線も後腐れもなく聞ける。地味ですが、一度使うとこれが無い状態に戻れなくなる種類の機能です。まずは待ち時間の確認あたりから試してみてください。





