Claude Codeを業務で本格的に使い始めて半年が経ちました。当初は「便利そう」と思って雑に触っていたのですが、3ヶ月目くらいから「これは型を持って使わないと逆に時間を食う」と気づき、自分なりの運用ルールを少しずつ整えてきました。

この記事では、半年使って定着した運用の型を8つに整理します。ベストプラクティスというより「現場で消去法的に残った使い方」と思っていただくのが正確かもしれません。

ベストプラクティス(best practices)の全体像

先に8つを並べておきます。上から順に効きが大きい順です。

  1. CLAUDE.md を最初に整える
  2. タスクが切り替わったら /clear で履歴を消す
  3. 長くなったら /compact で軽くする
  4. サブエージェントで「役割」を切り出す
  5. コストは /cost で週1チェック
  6. コミット前に /review でセルフチェック
  7. 自分専用のスラッシュコマンドを作る
  8. 重要操作は確認モードで止める

どれも大掛かりな準備は要りません。1つずつ足していけば足ります。

① CLAUDE.md を最初に整える

新しいリポジトリで作業を始めるときに、私が必ず最初にやるのが CLAUDE.md の作成です。プロジェクトの目的、ディレクトリ構成、よく使うコマンド、命名規則をここに書いておくと、それ以降のClaude Codeの応答精度が体感で大きく上がります。

たたき台は /init で自動生成できます。

claude
# プロンプトで
/init

これで現在のリポジトリ構成をClaudeが読み取って、CLAUDE.md のドラフトを作ってくれます。最初は40点くらいの内容ですが、使いながら足りない情報を追記していくと、3ヶ月で「現場のリアルなドキュメント」に育ちます。

私は最初、CLAUDE.md を「ドキュメントなんて後回しでいい」と無視していました。1ヶ月後、同じ説明をClaude に何度もし直している自分に気づいて、急いで作り始めました。

② タスクが切り替わったら /clear で履歴を消す

同じセッションを長時間引きずると、Claude の応答がだんだん的外れになってきます。文脈が混ざってくるからです。

私はタスクが切り替わるタイミングで、ためらわず /clear を叩いています。1日に5〜6回叩く日もあります。

/clear

「またゼロから説明し直しか」と思いがちですが、CLAUDE.md が整っていれば、Claudeはすぐにキャッチアップしてくれます。文脈を抱え込ませるより、こまめにリセットしたほうがトータルの作業時間は短くなります。

③ 長くなったら /compact で軽くする

同じタスクの続きで履歴を残したいけど重い、というときは /compact を使います。これはセッションの履歴を要約して圧縮するコマンドで、ゼロリセットの /clear ほど派手ではありません。

私は1時間以上続く設計レビューや、長いドキュメント執筆のときに2〜3回叩きます。挙動が急に賢くなるわけではないですが、応答速度が安定する感覚があります。

④ サブエージェントで「役割」を切り出す

繰り返し発生する作業は、サブエージェントとして切り出すと再利用が効きます。.claude/agents/{name}.md に役割を定義しておいて、/agents で呼び出す形です。

私は次の4つを常備しています。

  • 議事録整形くん(録音文字起こしを構造化)
  • 提案書ドラフト担当(顧客情報から提案書ベースを作る)
  • SEO記事レビュー担当(文体チェック)
  • 経費精算チェッカー(領収書の分類と金額確認)

サブエージェントを作るときのコツは、1つの役割を狭くすること。「議事録整形と提案書も両方やる」と欲張ると、出力の質が落ちます。

⑤ コストは /cost で週1チェック

API キー従量で使っている場合、コストの体感はけっこうずれます。私は毎週金曜の作業終わりに /cost を叩いて、今週いくら使ったかを確認する習慣にしています。

/cost

ProプランやTeamプランの定額契約で使っているなら気にしなくてもいいですが、APIキー従量だと「便利で連打していたら月末に5万円」みたいな事故が起きます。私は2ヶ月目にこれをやらかしました。

⑥ コミット前に /review でセルフチェック

ファイル編集が一区切りついたら、コミットする前に /review を叩く癖をつけています。直前の変更をClaude自身にレビューさせるコマンドです。

/review

typo、エッジケースの抜け、不要な変更、機密情報の混入などを拾ってくれます。完璧ではないですが、ヒューマンレビューの前段としては十分役に立ちます。私はこれを叩く前に出していたPRより、叩いてから出すPRのほうがレビュアーから返ってくる指摘の数が減りました。

⑦ 自分専用のスラッシュコマンドを作る

社内で繰り返す業務は、自分専用のスラッシュコマンドにしてしまうのがおすすめです。.claude/commands/{name}.md というファイルにMarkdownで手順を書くだけで、/{name} というコマンドが使えるようになります。

私が常備しているのは次のあたりです。

  • /giji 議事録の録音文字起こしを整形
  • /teiana テレアポスクリプトの差分を作る
  • /seishin 月末の経理仕訳をMoneyForwardの形式に整える

最初の1つを作るのに30分くらいかかりますが、2つ目以降は10分で作れます。1ヶ月で7つほど作ると、もう毎日のClaude Code利用の半分はスラッシュコマンド経由になります。

⑧ 重要操作は確認モードで止める

/permissions で、ファイル削除やコマンド実行に対する自動許可の設定ができます。最初の頃は「毎回確認されて面倒」と感じて全部許可にしがちですが、私は途中で逆方向に振りました。

特に rmgit push --force など取り返しのつかない操作は、必ず人間が許可する設定に戻しています。慣れてくると「Yes」を反射で押しがちになるので、明示的に止まる仕組みを残しておくほうが事故が減ります。

研修先で「Claude Code に間違って本番DBの初期化スクリプトを実行された」という事故を1件聞きました。確認モードが切られていたケースでした。

まとめ

  • 新リポジトリは CLAUDE.md を最初に整える(/init でたたき台)
  • タスクが切り替わったら /clear、同じタスクで重くなったら /compact
  • 繰り返し作業はサブエージェントとスラッシュコマンドに切り出す
  • API従量利用なら /cost を週1でチェック
  • コミット前は /review でセルフチェック
  • 取り返しのつかない操作は /permissions で確認モードを残す