Twitter(X)で「Claude Codeで3人チーム作ってみた」みたいな投稿をちらほら見かけるようになりました。
Agent Teamsという、Claude Code v2.1.32から追加された実験的な機能のこと。複数のClaude Codeを同時に動かしてチーム作業させる、という普通に聞いたら「何それ怖い」と思うレベルの機能です。
非エンジニアの自分が実際に試してみてどうだったか、という記録を残します。業務での実用度 を測るのが目的なので、技術仕様の網羅は省きます。
Agent Teamsはサブエージェントと何が違うのか
機能名だけ聞くと「これって以前からあるサブエージェントと何が違うの?」と思います。私も最初これでした。
公式の比較を読み解くと、決定的な違いは チームメンバー同士が直接会話できるかどうか です。
サブエージェント | Agent Teams | |
|---|---|---|
通信 | メインエージェントにのみ報告 | チームメンバー同士が直接メッセージ送信可 |
調整 | メインがすべて管理 | 共有タスクリストで自己調整 |
用途 | 結果重視の単発タスク | 議論や相互検証が必要な作業 |
トークン | 低い(結果が要約されて返る) | 高い(各メンバーが独立コンテキスト) |
サブエージェントは「下請け」、Agent Teamsは「議論する同僚チーム」という違いです。
非エンジニアの業務で言えば、「3人で別々の角度から一つの記事を批評する」とか、「営業資料を3パターン同時に作って、お互い見せ合って良い案を残す」みたいな使い方がイメージしやすい。
有効化は環境変数1行
ここがちょっと癖があるところで、デフォルトでは無効。意図せず勝手にチーム化されることはありません。
有効にするには、~/.claude/settings.json に1行足します。
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS": "1"
}
}
これでClaude Codeを起動し直せば、有効になります。
私はこの設定変更で1回つまずきました。settings.json ではなく ~/.claude.json の方を編集してしまっていて、いくらClaude Codeに「3人チーム作って」と言っても 普通の会話で返ってくる だけ。設定ファイルは2種類あるので、混同に注意です。
3人チームに記事の批評を頼んでみた
実際に試したタスクは、自分が書いた記事の下書きを3人チームに批評させる、というものでした。
依頼文はだいたいこんな感じ。
このブログ記事(33-claude-code-vs-cursor.md)を3人のチームでレビューして。
- 1人目はSEO観点
- 2人目は読者目線(ターゲットは非エンジニア)
- 3人目は批判役で、論理の弱いところを厳しく突く
3人で議論しながら、最終的な改善提案リストにまとめて
Claudeから「3人のチームを作りますか?」と確認が出て、承認すると3つのチームメンバーが並列で起動しました。In-process表示モード(デフォルト)だと1つのターミナルに収まるので、Shift+Downでメンバー間を切り替えながら様子を見れます。
面白かったのが、批判役のメンバーが「2人目の読者目線レビューに対して、それは本当に非エンジニアが分からないと言えるのか」と メンバー間で議論を始めた こと。指示してないのに勝手に意見を交換していて、最終的なフィードバックの質が一段深かったです。
普通に1人のClaudeにレビューを頼むのと比べて、気づきの量が体感1.5〜2倍。深みのあるフィードバックが返ってきました。
トークン消費は確かに重い
いいことばかり書きましたが、コスト面の落とし穴があります。
各チームメンバーが独立したコンテキストウィンドウを持つので、トークン消費がメンバー数だけ線形に増える。3人チームなら単純計算で3倍。プランモードを使うとさらに増えて、目安として標準セッションの 約7倍 という記載も見かけました。
私はClaude Pro月20ドルで使っていますが、Agent Teamsを連発すると月の利用上限に当たる感覚があります。3〜5人のチームを軽い気持ちで何度も組まない方がいい、というのは早めに体感しました。
長時間タスクを任せたい業務には合うけれど、 「とりあえずチームでやらせてみる」 みたいな使い方をすると財布が痛い。
向いているタスク・向いていないタスク
公式と自分の試行をあわせて整理すると、こうなります。
向いている
- 並列で別角度から検討したい(レビュー、調査、デバッグ)
- 同じ問題に対して複数仮説を並列で試したい
- 別ファイルを別メンバーが触る作業(ファイル競合が起きない)
向いていない
- 順序のある作業(AをやってからBをやる)
- 同じファイルを複数人が編集する(競合する)
- ルーチンの定型作業(普通の単一セッションで十分)
非エンジニアの業務で言えば、「営業提案書のA案・B案・C案を並列で作らせて、最後に統合」みたいな仕事には合います。逆に「議事録の文字起こし→要約→ToDo抽出」のような順序作業には合いません。
制限事項とハマりどころ
実験的機能なので、まだ粗いところがあります。
/resumeで復元できない — チームを作ったセッションを再開しても、in-processモードのチームメンバーは戻ってきません。リーダーが「いるはずのメンバーにメッセージを送ろうとして失敗する」現象に遭遇します- シャットダウンが遅い — 「クリーンアップして」と頼んでから、メンバーが終わるまで30秒〜1分かかることがある
- セッションあたり1チーム — 同時に複数のチームを動かすことはできない
- チーム入れ子は不可 — メンバーがさらに自分のチームを作ることはできない
- 権限はリーダーに揃う — メンバーごとに別の権限モードを設定できない
これらの粗さは、実験的機能だと割り切る必要があります。本格的に業務に組み込むタイミングではないけれど、触っておくと差がつく 段階だと感じます。
まとめ
- Agent Teamsは 複数のClaude Codeをチームで動かす 実験的機能(v2.1.32〜)
- サブエージェントとの違いは メンバー同士が直接会話できる こと
- 有効化は
settings.jsonに環境変数1行 - 並列で別角度から検討する仕事に向いており、ルーチンには向かない
- トークン消費はメンバー数だけ線形増加、月20ドルプランだと使いすぎ注意
- セッション再開やシャットダウンに粗さが残る実験段階
「業務で常用するか」と聞かれたら、まだNoです。ただし、月に数回の重要な検討作業 には合います。私は記事のレビュー時とコンテンツ戦略の壁打ち時に使い分けています。
触ってみると、AIの使い方の感覚が一段変わるはずです。





