「Codexはオープンソースモデルにも切り替えられるんですよね?」 — 機密性の高い業務を扱う研修先からの質問です。Codex CLIには --oss フラグでローカル/オープンソースモデルに切り替える仕組みが入っており、選択肢として面白い。
この記事は、Codex のOSS modeと、Claude Code側で同じことをやる場合のルーター/Ollama/LM Studio構成を比較したものです。
Codex CLIの --oss フラグ
Codex CLIにはOSS modeという起動オプションがあります。
codex --oss
これで起動すると、OpenAIのプロプライエタリモデル(GPT系)ではなく、オープンソースのモデルを背景に動く形になります。
特定のモデルを指定する場合は -m フラグで選びます。指定形式は provider/model-name(例 qwen/qwen3-coder-30b)や model:tag(例 deepseek-coder:6.7b)で、正確な名前は使うバックエンド(Ollama / LM Studio / 自前のOpenAI互換エンドポイント)が出すモデル一覧に依存します。
codex --oss -m qwen/qwen3-coder-30b
codex --oss -m deepseek-coder:6.7b
具体的なモデル名と指定形式の正解は、Codex公式リファレンスと、バックエンド側の models list で必ず確認してください。gemma(Google)、qwen(Alibaba)、deepseek(DeepSeek)などの主要なオープンソースモデルを、Codexのインターフェースから動かせます。
なぜOSS modeが効くのか
「公式モデルを使えばいいじゃないか」と思う方も多いはずです。でも、現場ではOSS modeが効く局面が確実にあります。
ひとつめは、機密情報の扱い。社外秘のデータをクラウドのGPTに送りたくない時、ローカル/オープンソースのモデルが現実解になります。データが手元から出ない、という安心感は大きい。
ふたつめは、コスト管理。Uberが社員AI予算を月1500ドルで上限化したように、AIエージェントのコストは企業導入で問題化しています。OSSモデルなら従量課金ゼロで、ハードウェア投資だけで済む。
みっつめは、オフライン環境での動作。ネット切断時もローカルモデルなら動き続ける。
Claude Codeで同じことをやる構成
Claude Code側で「ローカル・オープンソースモデルを動かす」場合、構成が少し違います。
Claude Code本体はAnthropicのClaude モデルとの会話を前提にしています。ローカルモデルを使うには、間にルーター(中継ツール)を挟む必要があります。
具体的には、claude-code-router や openrouter のようなツールが、Anthropic APIプロトコルとローカルモデル(OllamaやLM StudioのOpenAI互換エンドポイント)の間を仲介する形です。
「Codexは1コマンドでOSS切替、Claude Codeはルーターを挟む構成」、というのが構造的な違いです。
どちらが向くか
両者を表で並べます。
観点 | Codex OSS mode | Claude Code + ルーター |
|---|---|---|
切替の手軽さ |
| ルーター設定が必要 |
選べるモデル | gemma / qwen / deepseek 等 | Ollama / LM Studio で動くモデル |
設定の複雑さ | シンプル | ルーター層が追加 |
動作の安定感 | 公式統合 | ルーター品質に依存 |
デフォルトの体験 | OSSも公式並みに統合 | 構成のひと手間あり |
Codex側のほうが「OSS切替を1コマンドで」という点で手軽。Claude Code側は柔軟性の代わりにルーター層の理解が要る、という構造です。
私の使い分け
参考までに、いまの私の運用を書きます。
社外秘のデータを扱う検証作業は、ローカルで完結させたい。これまではClaude Code + Ollama でやっていたが、最近はCodex CLI --oss -m qwen3.6 の手軽さで Codex 側を試すことが増えました。
本格的な実装作業は、依然としてClaude Code(クラウドのClaude)。OSSモデルは現時点では、品質的にClaude Opus 4.8と同じ仕事はできません。「機密性と品質のトレードオフ」を意識して切り替える、というのが正直なところです。
ハイブリッド構成の現実
「全部OSS」で運用するのは、現時点では非現実的。OSSモデルとクラウドの公式モデルをハイブリッドで使う構成が現実解です。
機密性の高い下調べ・初稿生成はOSSで(Codex --oss でも、Claude Code + ルーターでも)。本格的な実装・設計判断は公式モデル(GPT-5.5 か Claude Opus 4.8)で。役割を分けて使うのが、コストと機密性のバランスとして無理がないです。
両ツールの比較は別記事にも書きました。
まとめ
- Codex CLIには
--ossフラグでOSSモデルに切り替えるmodeがある -m provider/model-name形式でモデルを指定。具体的な名前はバックエンド依存なので公式リファレンスとmodels listで確認- 機密情報の扱い・コスト管理・オフライン動作で効く
- Claude Code側で同じことをやるならルーター(claude-code-router等)+Ollama/LM Studioが必要
- Codex は切替の手軽さ、Claude Code は柔軟性の代わりにひと手間
- 全部OSSは非現実的。機密性が要る作業だけOSS、本格はクラウドのハイブリッド構成





