「Codex側にもMultiAgentV2って機能が入ってるんですよね?」 — 同業のエンジニアから聞かれて、調べ直しました。Claude CodeのDynamic Workflowsと並んで、両社ともマルチエージェント実行に踏み込んでいます。
この記事は、CodexのMultiAgentV2と、Claude CodeのDynamic Workflowsの違いを整理したものです。
どちらも「複数エージェントの並列実行」基盤
両者の共通点は、ひとつのセッションの中で複数のサブエージェントを動かして、大きな作業を並列で進める発想です。1人のClaudeや1つのGPTが順番に作業するのではなく、複数の小さなエージェントに分担させる。
CodexのMultiAgentV2は、2026年中頃から正式に動いている仕組み。Claude CodeのDynamic Workflowsは、2026年5月28日のOpus 4.8リリースと同時に研究プレビューで登場。並走する形で進化しています。
規模感の比較
両者で異なるのが、許容される並列度です。
観点 | Codex MultiAgentV2 | Claude Code Dynamic Workflows |
|---|---|---|
1回のエージェント総数 | 設定可能(スレッドキャップ) | 最大1,000 |
同時実行 | スレッドキャップで制御 | 最大16並列 |
設定粒度 | スレッドキャップ・待機時間・深さ | JavaScriptで動的に組み立て |
必要バージョン | 最新のCodex CLI | Claude Code v2.1.154以降 |
CodexのMultiAgentV2は「設定で並列度を細かく制御する」発想。Claude Codeのほうは「上限を切ったうえで、その範囲でClaude自身が動的に分解する」発想。設計思想が違います。
設計思想の違い
もう少し噛み砕きます。
CodexのMultiAgentV2は、エンジニアが事前に「何スレッドまで」「どの深さまで」「待機時間はどれくらい」を設定する形。人間側がコントロールしながらマルチエージェントを動かす設計です。
Claude CodeのDynamic Workflowsは、Claude自身がその場でJavaScriptを書いて、必要な分だけサブエージェントを呼ぶ。人間側は「これやって」と投げるだけで、内部の並列化はClaudeが判断する。自動化に振っている設計です。
「コントロール重視のCodex」「自動化重視のClaude Code」、という言い方ができます。
業務目線でどちらが向くか
「うちはどっち使えばいいんですか」と聞かれた時の、私の整理です。
場面 | 向く |
|---|---|
並列度を厳密に管理したい(コスト統制) | Codex MultiAgentV2 |
作業の重さによってClaudeに任せたい | Claude Code Dynamic Workflows |
既にCodex/ChatGPTを業務基盤にしている | Codex |
Claude Code軸でultra系を活用している | Claude Code |
マルチエージェントの設定を細かく書きたい | Codex |
「重ければ自動で分解」で済ませたい | Claude Code |
並走する2系統の選択肢ができた、というのが2026年中頃の現実です。
私の併用構成
参考までに、私の運用を共有します。
メディアの記事執筆・SEO運用はClaude Codeのultracodeに任せる。Web版で書き始めた記事を、Dynamic Workflowsで「リポジトリ全体の整合チェック」までやらせる。
業務委託先で「並列度を厳密に管理する」要件があるプロジェクトはCodex MultiAgentV2側で対応。スレッドキャップを設定して、コストの見通しを最初に握る。
両方触ると見えるのは、性格の違いを活かす設計の発想です。
設定の話
CodexのMultiAgentV2は、設定が次のような項目で組み立てられます。
- スレッドキャップ(同時動かす並列数の上限)
- 待機時間(エージェント間の待ち時間)
- ルート/サブエージェントのヒント
- V2固有の深さハンドリング
直近のCLI更新でも "multi-agent v2 assignment tool" のリネームがあり、設定の整理が続いています。エンタープライズ運用を視野に入れた成熟化が進んでいる印象です。
Claude Code側の並列実行の選択肢は別記事にもまとめてあります。
まとめ
- CodexのMultiAgentV2と、Claude CodeのDynamic Workflowsは並走する2系統
- Codexは「設定で並列度を細かく制御」、Claude Codeは「Claudeに任せて自動分解」
- Claude Code側は最大1,000サブエージェント・16並列(研究プレビュー)
- Codex側はスレッドキャップ・待機時間・深さで設定する設計
- 業務でコスト統制が要るならCodex、自動化に振りたいならClaude Code
- 両方触ると性格の違いが見えて、用件で使い分けられる





