便利な道具ほど、気づくと使いすぎている。私はClaudeに頼りきりになって、自分で考える時間が減っていないか、ときどき不安になります。2026年7月9日に出た機能は、まさにその不安に向き合うためのものでした。

自分の使い方が見える機能

新しく加わったReflectは、自分がClaudeをどう使っているかを振り返るための機能です。

これまで、自分がどんな話題で、どれくらいの頻度でClaudeを使っているかは、感覚でしかわかりませんでした。Reflectは、その使い方を数字と一覧の形で見せてくれます。どんな話題が多いか、どういう作業を繰り返しているか。使った時間が自分の目標に合っているかを、自分で判断できるようにする、というのが狙いです。

何が見えるのか

見えるものは、いくつかあります。

まず、自分の使い方のまとめ。よく相談している話題や、繰り返している作業の種類が出ます。振り返る期間は、1か月、3か月、6か月、12か月から選べます。いつClaudeをよく使っているか、その時間で何をしていたか、という月ごとの振り返りも見られます。

面白いのは、ときどき問いかけが出る点です。たとえば「Claudeに任せれば速くできることでも、自分でやり続けたいことは何か」といった問い。使うことそのものを立ち止まって考えさせる作りになっています。

使いすぎを防ぐ仕組みもある

見えるだけでなく、使いすぎを抑える仕組みも入っています。

静かな時間を設定して、その時間帯は使わないようにする。一定時間使ったら休憩をうながす通知を出す。こうした設定ができます。夜は触らない、と決めておけば、だらだら続けてしまう夜更かしを防げます。道具に振り回されないための歯止めを、自分でかけられる、ということです。

似た話で、使いすぎは料金にも関わります。使用量そのものの確認は、こちらの記事も参考になります。

上手な使い方のヒントも出る

もう一つ特徴的なのが、使い方のコツを教えてくれる点です。

Anthropicが外部の研究者と一緒に決めた診断のものさしをもとに、あなたの使い方の癖を見て提案をくれます。たとえば、毎回同じ前置きの説明を打ち込んでいる人には、前提をまとめておけるProjectsという機能を勧める。事実確認をよく頼む人には、確認用の道具を用意することを勧める、といった具合です。

自分では気づかない無駄な手間を指摘してもらえる、と考えるとありがたい。同じ説明を毎回書いていたなんて、言われてみないと気づかないものです。

プライバシーはどう扱われるか

自分の使い方を見せる機能なので、プライバシーが気になります。ここは配慮されています。

Reflectが動くのは、記憶(メモリー。Claudeが過去のやり取りを覚えておく設定)をオンにしているときだけです。そして、シークレットの会話や、健康に関わる連携の内容、つないだ道具の中のファイルは対象から外れます。何でもかんでも見られるわけではない、という線引きがあります。

今のところ、Free・Pro・Maxのプランで、ウェブとデスクトップで使えるベータ版として提供されています。作るにあたっては、MITメディアラボや、ボストン小児病院のデジタルウェルネスに関する研究機関などの助言が入っている、とされています。

道具との距離を測る

私がこの機能をありがたいと思ったのは、便利さを止める方向の機能だからです。

たいていの新機能は「もっと使ってもらう」ための工夫です。そんな中で、使い方を振り返らせて、使いすぎに気づかせ、自分でやりたいことは何かを問いかけてくる。道具を作っている側が、道具との距離を測る手立てまで用意しているのは、少し意外でした。

非エンジニアがAIを仕事に取り入れるとき、いちばん怖いのは、いつのまにか自分で考えなくなることだと思っています。任せる部分と、自分で持つ部分。その線を自分で引くための材料として、Reflectは一度開いてみる価値があります。まずは、直近1か月の自分の使い方を眺めるところからです。