Amazon Bedrock(AWS(アマゾンのクラウドサービス)が、いろんなAIモデルをまとめて提供している窓口)でも、Claude Fable 5が戻ってきました。喜んでモデル一覧から選んで呼び出そう(=使おう)としたら、エラー。「一覧に出ているのに使えない」で私は少しハマりました。原因は設定ひとつです。同じところで止まる人が出そうなので、順番に書いておきます。

この記事は、自社でAWSを使っていて、Fable 5を業務システムに組み込みたい人向けの内容です。ブラウザのチャットやCursorから使うだけなら、この設定は気にしなくて大丈夫です。

AWSでも7月1日に戻った

Fable 5は6月12日の輸出規制でAWS上でも止まっていましたが、規制の解除を受けて7月1日に復元されました。他社を含めた復活の流れは別記事にまとめています。

呼ぶ前に「データ共有」をオンにする

私がハマった原因がこれです。Bedrockでは、データ共有の設定を先に有効にしないと、そもそもモデルを呼び出せません。

具体的には、データ保持の設定で provider_data_share という項目をオンにする必要があります。これは、入力と出力をモデルの提供側と共有することに同意する設定だと考えてください。この同意をしていないと、一覧に出ていても呼び出しはブロックされます。「使えないぞ」となったら、まずここを疑うと早いです。

30日は必ず残る

データ共有をオンにする、という話とつながっているのが保持期間です。Fable 5のようなMythos級のモデルは、入力と出力を30日間保持することが必須になっていて、人による確認が入る可能性もあります。データを即消す運用は選べません。

ここで言うMythos級とは、特に強力で、監視の条件が厳しく設定されたクラスのモデルのことです。この条件が業務にどう効くのかは、社外秘の扱いに絞って別記事で掘り下げました。Bedrockで使う前にいちど読んでおくと安全です。

危ない話題はOpus 4.8に回る

戻ってきたFable 5には、以前より強い安全装置が乗っています。サイバーセキュリティ・生物・化学・健康といった危険度の高い要求は、Fable 5ではなくOpus 4.8(Claudeの一世代前の主力モデル)が代わりに答える形にフォールバック(別のモデルに引き継ぐこと)します。

課金も少しクセがあって、途中まで進んでから止まった場合、はじめはFable 5の料金、そのあとはOpus 4.8の料金という切り替わり方をします。想定より請求が動くことがあるので、頭の隅に置いておくと戸惑いません。

リージョンとモデル一覧を確認する

もう一つ、地域の問題があります。Bedrockでの提供は、初出時点で米国東部(バージニア北部)とヨーロッパ(ストックホルム)というリージョン(サーバーが置かれた地域)から始まり、すべてのAWSアカウントへ順次広げていく形でした。

なので「まだ自分の地域に出ていない」ということが起こり得ます。使えない理由がデータ共有の設定なのか、そもそも地域に来ていないのかで対処が変わるので、自分のアカウントと地域のモデル一覧にFable 5が並んでいるか、先に確認するのが確実です。

料金は止まる前と同じ

気になる料金ですが、復活後も100万トークン(トークンはAIが文章を数える単位)あたり入力10ドル・出力50ドルで、止まる前から変わっていません。値上げして戻ってきたわけではない、という点は安心材料です。使い分けの考え方は料金の記事にまとめています。

なお、ここまでの主役はモデルのFable 5ですが、コーディングツールのClaude Code(名前は似ていますが別物です)をBedrock経由で動かしている場合の設定は、別途こちらが参考になります。

一覧に出た瞬間に飛びつくと、私のようにデータ共有の設定でつまずきます。呼べるようにする設定と、30日保持という条件。この二つを先に押さえてから触るのが、遠回りに見えていちばん早いです。