「ultracode(ウルトラコード)って何ですか」 — 2026年5月29日朝、研修先からほぼ同時に3件来ました。前日にAnthropicが発表したばかりの新機能です。

この記事は、ultracodeとは何か、いつ何が変わるのか、誰が使えるのかを公式発表ベースで整理したものです。

ultracodeは「効きと自動化を一段引き上げる」設定

Claude Codeには「思考の効き」を選ぶ設定が前からあります。同じ問いでも、効きを上げるとClaudeが長く考えてから答えるようになる。ultrathinkのキーワードはその仲間です。

ultracodeは、この「効き」を最上位のxhighに自動でセットしつつ、重い作業ならClaudeが自分でDynamic Workflowsを起動して、サブエージェントに分けて並列で進めるという二段構えの設定です。

「いちばん深く考えさせて、必要なら作業を自動で分解する」。これがultracodeの2文要約です。

発表は2026年5月28日 Opus 4.8と同時

ultracodeが発表されたのは2026年5月28日。Claude Opus 4.8のリリースと同じタイミングで、Dynamic Workflowsとともに研究プレビュー(research preview)として公開されました。

「研究プレビュー」というのは、まだ正式版になる前の試用段階、という意味です。挙動や仕様は今後のフィードバックで変わる可能性がある、と公式が明言しています。

使い方は「メニューから選ぶ」だけ

ultracodeの使い方は単純で、Claude Codeのeffort menu(効きの選択メニュー)を開いて選ぶだけです。設定ファイルを書いたり、専用のコマンドを覚えたりする必要はありません。

検索で /ultracode と打っている方をよく見かけますが、ultracodeはスラッシュコマンドではなくeffort menuの選択肢のひとつです。似た名前の /ultrathink はプロンプトに書くキーワード、/ultraplan/code-review ultra はコマンドなので、そこは形が違います。この違いは後の節で整理します。

切り替えは作業の途中でもできます。軽い質問のときは戻しておいて、重い作業に入る前だけ上げる、という使い方が現実的です。

オンにすると何が変わるか

オンにすると次の2つが同時に起きます。

ひとつめは、effort levelがxhighに固定されること。Claudeが考えるトークン(AIが処理する文章の単位)の量が、ふだんの設定より大きく増えます。

ふたつめは、Claudeが「これは重い作業だ」と判断した時、自動でDynamic Workflowsという仕組みを呼んで、作業を細かいサブタスクに分解し、複数のサブエージェント(Claude内部で動く小さなAI担当)に並列で進めさせるようになることです。

「指示しなくても、必要なら自分で並列にする」というのがultracodeの効きどころ。大量のアンケート集計を「1人で順番に」から「手分け」に切り替えるイメージに近いです。

Dynamic Workflowsの中身

Dynamic Workflowsの仕組みも整理します。

ひとつのセッションの中で、数十から数百のサブエージェントが並列で動きます。トータルでは最大1,000サブエージェント、同時実行は最大16並列。Claudeがその場で書くJavaScript(全体の進行を自動制御するための言語)で、流れが組み立てられるという作りです。

向く用途として公式が挙げているのは、リポジトリ(コード置き場)全体のバグ調査、プロファイラ(動作の重さ計測)に基づいた最適化、セキュリティ監査(安全性チェック)、大規模なシステム移行作業など。1人では手が回らない規模の作業を、1セッションで回す発想です。並列実行の従来の選択肢の整理も別記事にあります。

ultraplan / ultrareview との位置関係

「ultra」がつくClaude Code機能は他にもあります。整理しておきます。

機能

役割

ultracode

効きをxhighにし、必要時にDynamic Workflowsを自動起動

ultraplan

計画づくりをクラウド(claude.ai/code Web)に投げ、ブラウザでコメント・修正後にWeb実行 or ターミナル戻しを選べる

ultrareview

クラウド上で複数のレビュー専門エージェントを並列起動し、コードの問題を網羅的に拾う

ultrathink

プロンプトのキーワードで思考予算を引き上げる

ultracodeは「実装の効きと並列化」、ultraplanは「計画の作り込み」、ultrareviewは「レビューの厳密化」、ultrathinkは「単発思考の深さ」。守備範囲がそれぞれ違います。重い仕事は組み合わせて使う発想ですが、最初から全部覚える必要はありません。まずultracodeを試して、必要が出てきたら他を足す、で十分です。

対応プランと注意点

ultracodeおよびDynamic Workflowsの利用は、研究プレビュー段階では Max・Team・Enterprise のClaude Codeプラン向けに開放されています。Enterpriseだけは管理者が組織側で有効化する必要があり、Max・Teamは標準で利用可能です。Proプランへの提供は、公式発表の時点では明記されていません。

注意点が1つあります。Dynamic Workflowsはふつうのセッションよりも消費トークンが大幅に増える可能性があると、公式が明示しています。「便利だから常時オン」にすると、月の消費量が想定外に伸びる。コスト感覚は意識して使うのが安全です。

ultracodeとSDDやsubagentsの位置関係

新しいキーワードが続くと整理がややこしくなるので、ultracodeを既存概念と並べてみます。

仕様駆動開発(SDD)が「先に仕様を書く」という人間側の工夫だとすると、ultracodeは「重ければ自動で分解する」というClaude側の自動化です。

サブエージェント運用は、これまで人間が役割分担を設計してClaudeに渡していました。ultracode + Dynamic Workflowsは、その分担をClaudeが自分で行う方向に踏み出した、という見方ができます。

「自分で分けるのと、Claudeに分けさせるの、どっちが向くか」を意識しながら使い分ける時期になってきました。

まとめ

  • ultracodeは2026-05-28発表のClaude Code向け新設定(Opus 4.8と同時)
  • effort levelをxhighに上げつつ、必要時にDynamic Workflowsを自動起動する二段構え
  • Dynamic Workflowsは最大1,000サブエージェント・同時16並列の並列実行基盤
  • ultraplan/ultrareview/ultrathinkとは守備範囲が違う。組み合わせて使う発想
  • 研究プレビュー段階。対応はMax/Team/Enterprise、Proは現時点では未明示
  • 消費トークンが大幅に増える可能性。コスト感覚を持って使う