AIに作業を任せていて、いちばん怖いのは間違えることではなく、間違えたまま止まらないことです。同じところをぐるぐる回って、時間と料金だけが減っていく。2026年7月中旬の更新で、この空回りに歯止めが入りました。

1セッションで200回まで

入ったのは、1つのセッションあたりの回数の上限です。セッションというのは、Claude Codeを起動してから終了するまでのひと続きの作業のこと。終了して立ち上げ直せば、数え直しになります。

対象は二つあります。Web検索の回数と、サブエージェント(下請けとして立ち上がる別の担当者)を立ち上げる回数。どちらも既定で200回までになりました。ここに達すると、それ以上は走らなくなります。

200回というのは、普通に使っていればまず届かない数字です。私が自分の環境で数えたかぎり、長めの調べものをした日でも検索は40回いかない程度でした。つまりこの上限は、日常の使い方を制限するものではなく、明らかにおかしい状態を止めるための線です。

なぜ空回りが起きるのか

そもそも、なぜ同じところを回るのか。少し仕組みの話をします。

AIに「答えが見つかるまで調べて」と頼むと、見つからない場合の出口が決まっていないことがあります。検索して、足りないと判断して、また検索して、また足りないと判断する。人間なら「これは無理だ」と諦めるところで、諦める基準がないと回り続けます。

サブエージェントも同じです。下請けを立ち上げて、その下請けがまた下請けを立ち上げる、という連鎖が起きると、数が急に増えます。

この連鎖については、2026年7月21日の更新でさらに手が入りました。以前は既定で5段まで孫が持てましたが、今は既定で孫を持たなくなっています。深くしたい場合は CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENT_SPAWN_DEPTH で自分で許可する形です。同じ更新で、同時に動かせる数も20までになりました。

つまり、歯止めは3層になっています。総数が200まで、同時に動くのは20まで、そして孫は既定で作らない。以前の記事は5段が既定だった時期のものなので、あわせて読むときは注意してください。

上限は自分で動かせる

既定の200回は、変えられます。

CLAUDE_CODE_MAX_WEB_SEARCHES_PER_SESSION で検索の上限、CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENTS_PER_SESSION でサブエージェントの上限を、それぞれ環境変数(パソコン側に覚えさせておく設定項目)として指定できます。どこに書くのかは、こちらの記事にまとめています。

公式には、大規模な調査を回すときに上げる用途として案内されています。私は逆方向で、非エンジニアが研修で使う環境では検索を50回に下げて運用しています。使い方を覚える段階では、そのくらいで十分だからです。

歯止めが増えてきた流れ

こうした歯止めは、今回が初めてではありません。ここ数か月、似た方向の手当てが続いています。

危ない操作の前で立ち止まるようになったこと、それまでの作業内容をなかったことにしてしまう操作をブロックするようになったこと、そして今回の回数の上限。任せる範囲を広げるほど、任せた先で止まらなくなるリスクが上がるので、それに合わせて歯止めを増やしている、という流れです。

空回りに気づく方法

上限があるとはいえ、200回まで回ってから止まるのでは遅い場面もあります。自分で早めに気づけたほうがいい。

私が使っているのは /usage です。作業のあとに入力欄でこれを打つと、何にどれだけ使ったかが出ます。想定よりはるかに多い数字が出ていたら、そのセッションはどこかで空回りしていた、と判断できます。

もう一つ簡単なのは、長い作業を頼むときに「見つからなければ、見つからないと答えて止まって」と一言添えることです。出口の条件を先に渡しておくだけで、空回りはかなり減ります。

任せるほど歯止めが要る

私は一度、調べものを任せたまま席を外して、戻ったら想定の何倍も使っていたことがあります。答えは出ていませんでした。あのときに上限があれば、被害はもっと小さかった。

任せる、という使い方は便利ですが、任せた先が止まらないと困ります。だから、仕組み側に歯止めが増えるのはありがたい。そのうえで、自分の側でも出口の条件を渡す癖をつけておくと、200回に届く前に終わります。仕組みと使い方の両方で締める、というのが現実的なやり方だと思います。