「全社に入れたはいいけど、本当に使われているんですかね」 — Claude Codeを導入した会社の担当者から、数ヶ月後によく聞く言葉です。気持ちは分かります。配っただけでは、誰がどれだけ使っているかは見えません。

この記事は、Claude Codeの利用状況を数字で把握するOpenTelemetry対応について整理したものです。

導入したあとに出てくる「で、使われてるの」

Claude Codeの社内導入を支援していると、最初の山を越えたあとに必ずこの問いが来ます。

ライセンス費用は毎月かかる。なのに、現場が実際に使っているのかが見えない。経営層に「効果は出ています」と言いたくても、根拠になる数字がない。導入の進め方そのものは別記事にまとめましたが、その先の「定着しているかの確認」でつまずく会社は多いです。

Claude CodeはOpenTelemetryに対応している

この「見えない」を解決する仕組みが、Claude Codeに用意されています。OpenTelemetry経由で、利用状況のデータを外部の監視ツールに送る機能です。

OpenTelemetryは、ソフトの動作データを集めて可視化するための共通規格です。Claude Codeに限らず、多くのツールが対応しています。

Claude Code側では、テレメトリ送信は初期状態でオフになっています。CLAUDE_CODE_ENABLE_TELEMETRY という設定を有効にして、データの送り先を指定すると、利用状況が流れ始めます。

何が見えるようになるか

送られるデータは、おおまかに次のようなものです。

  • セッションの起動回数(どれくらい使われたか)
  • トークンの使用量(処理の量)
  • かかったコスト
  • コードや文書の変更行数

これらを監視ツール側でグラフにすると、「先月より利用が増えた」「特定の部署だけ伸びていない」といった傾向が一目で分かります。費用対効果を数字で語れるようになる、ということです。

設定の大まかな流れ

設定の流れは、Claude Code側でテレメトリを有効にし、データを受け取る監視ツールを用意し、両者をつなぐ、という3段階です。

正直に書くと、ここはIT担当者の領域です。送り先のサーバーを立てたり、監視ツールを設定したりする部分は、非エンジニアが1人で進めるのは難しい。具体的な設定値は公式ドキュメントに沿って、社内のシステム担当と一緒に進めるのが現実的です。

非エンジニアの担当者が持つべきなのは、設定の知識ではなく「何を見たいか」の視点です。そこさえ決まれば、技術的な配線はIT担当に任せられます。

数字をどう使うか — 監視ではなく支援に

ここが大事な点です。利用状況のデータは、社員を監視する道具ではありません。

「使っていない人を叱る」ために使うと、現場は萎縮して、かえって使われなくなります。私が支援先で勧めているのは逆の使い方です。利用が伸びていない部署を見つけたら、追加のフォロー研修を入れる。よく使っている人を見つけたら、その人に社内講師をお願いする。

数字は、支援先を見つけるための地図として使う。これを最初に握っておかないと、せっかくの仕組みが社内の空気を悪くします。

触ってみた所感

私自身、小さなチームでこの仕組みを試しました。

役に立ったのは、コストの可視化です。誰がどの作業で重いモデルを使っているかが見えて、モデルの使い分けを見直すきっかけになりました。モデル選択はコストに直結します。

一方で、小規模なチームなら、ここまでの仕組みは過剰かもしれません。数人なら直接聞けば済みます。OpenTelemetry対応が効いてくるのは、人数が増えて「直接聞く」が回らなくなった規模からです。

まとめ

  • Claude Codeは利用状況をOpenTelemetryで外部に送れる
  • 初期状態はオフ。CLAUDE_CODE_ENABLE_TELEMETRY の有効化で送信が始まる
  • セッション回数・トークン量・コスト・変更行数などが見える
  • 設定の配線はIT担当の領域。非エンジニアは「何を見たいか」を決める
  • 数字は監視ではなく、フォロー先を見つける支援の地図として使う
  • 効いてくるのは「直接聞く」が回らなくなる規模から