外部サービスにつないで大量のデータを引いてくる作業を頼むと、それが終わるまで何もできない。私はこれで、コーヒーを淹れに立つ習慣がつきました。2026年7月中旬の更新で、その待ち時間の扱いが変わりました。

2分を超えたら勝手に裏へ

MCP(Claude Codeと外部サービスをつなぐ差し込み口)経由の呼び出しが2分より長くかかると、自動でバックグラウンドに移るようになりました。

移ったあとは、その呼び出しの結果を待たずに会話を続けられます。裏で処理が続いて、終わったら結果が戻ってくる。手元は空くので、別の相談を進められます。MCPが遅くて困っていた時間が、まるごと使える時間に戻る、ということです。

たとえば、先月ぶんの売上データを全部引いてきて集計させる。問い合わせ履歴を全件読ませて内容ごとに分類させる。こういう「量が多くて時間がかかる」頼みごとが、待ち時間の正体です。

なお、この自動の切り替えが働くのは通常の対話のときだけです。サブエージェント(Claude Codeが立てる分身の作業役)からの呼び出しや、-p を付けて一度きりの指示として走らせる使い方では対象になりません。

MCPが遅くなる理由

そもそも何にそんなに時間がかかるのか、少し補足します。

MCPは、Claude Codeと外部サービスをつなぐための差し込み口の規格です。つながる相手は、社内のデータベース、クラウドのサービス、検索の仕組みなど。相手側の処理が重ければ、その時間はそのまま待ち時間になります。Claude Codeが遅いのではなく、相手の返事が遅い、という構造です。

だから、Claude Code側でできる改善は「速くする」ではなく「待たない」になる。今回の変更は、まさにその方向の手当てです。

MCPの入り口はこちらにまとめています。

2分という線は動かせる

この2分という区切りは、自分で変えられます。

CLAUDE_CODE_MCP_AUTO_BACKGROUND_MS という環境変数(パソコン側に覚えさせておく設定項目)で、どれだけ待ったら裏に回すかを指定できます。単位はミリ秒で、1000分の1秒のこと。既定の2分は120000にあたります。30秒で裏に回したいなら30000、この動きを止めたいなら0を指定します。

書く場所については、こちらの記事にまとめています。

私は既定の2分がちょうどいいと感じています。10秒や20秒で裏に回されると、結果を見ながら次を考えるリズムが崩れるので。ただ、明らかに重いサービスを日常的に叩いているなら、短くする価値はあります。

何が「終わった」のかを見失わないコツ

裏に回るのは便利ですが、副作用もあります。何が終わって何がまだなのかを見失いやすくなる点です。

私が一度やった失敗があります。重いデータの取得を裏に回して、別の話を進めているうちに、取得のほうをすっかり忘れました。あとで結果が返ってきたときには、もう何のために頼んだのか思い出せませんでした。

対策は単純で、裏に回ったら「これは何のためだったか」を一行だけメモしておくことです。あるいは、返ってきたときに何をしたいのかまで先に伝えておく。裏に回った作業ほど、目的をはっきり書いておいたほうがいいです。

遅いのが自分側かどうかを切り分ける

裏に回るようになったとはいえ、そもそもなぜ遅いのかは気になります。切り分けのしかたを一つ紹介します。

同じ問い合わせを、Claude Codeを通さずに相手のサービスの画面から直接やってみる。それでも遅いなら相手側の問題で、Claude Code側でできるのは待たない工夫だけです。直接だと速いのに、Claude Code経由だと遅いなら、つなぎ方の設定を見直す余地があります。

私が調べたときは、ほとんどが相手側の重さでした。つまり、待たない工夫のほうが現実的な解だった、ということです。

設定の見直しどころは、こちらにまとめています。

「止まらない」方向の変更が続いている

この変更は、単発の改善ではなく流れの一部です。

サブエージェントは既定でバックグラウンド実行になり、/fork は裏の別セッションを立てる形になり、そしてMCPの重い呼び出しも裏に回る。共通しているのは、待たされる時間を作らない、という方向です。会話の手元は常に空いていて、重いものは裏で回っている、という形に寄せてきています。

待ち時間の使い方が変わる

正直に言うと、私はこの手の「裏で回る」系の機能を、最初は使いこなせませんでした。手元が空いても、次に何をするか決めていなかったからです。

裏に回せるようになると、待ち時間そのものが消えるのではなく、待ち時間を別の作業で埋めることが求められます。だから、重い作業を投げる前に「これが走っているあいだに何をするか」を先に決めておく。この癖がつくと、同じ1時間で片付く量がはっきり変わります。まずは、重いMCPの呼び出しを一つ投げて、裏に回ったあと5分間で何ができるか試してみるといいと思います。