長い相談を積み上げたあとで「ちょっと別の案も試したい」と思うことがあります。でも今の会話を壊したくない。この板挟みを解く機能が、2026年7月中旬の更新で使いやすくなりました。

会話をまるごとコピーして独立させる

/fork は、今までのやり取りをそのままコピーして、別の場所で続けるためのコマンドです。会話の入力欄に /fork と打つだけで動きます。

今回の更新で、コピー先が独立したセッションになりました。セッションというのは、Claude Codeとのやり取り1本ぶん、開いてから閉じるまでのひとまとまりのことです。つまり、今の会話はそのまま手元に残したまま、同じ内容から始まる会話がもう1本、別に立ち上がります。

立ち上がった分身には、作業の一覧画面に自分の行が立ちます。どの分身が何をしているのかは、そこから確認できます。

これまでの動きは/subtaskに移った

ここが混乱しやすいところなので、はっきり書きます。

以前の /fork は、今の会話の中に枝を作って、そこで作業させる動きでした。この動きは今回 /subtask という別の名前になりました。名前と役割が、目的で分かれた形です。

違いは「結果がどこに戻るか」

どちらも裏で動くので、待たされないという点は同じです。違いは、結果の行き先です。

/subtask は、枝で作業した結果が元の会話に戻ってきます。頼んだことを別の担当者にやらせて、報告を受け取る形。だから元の会話の流れは1本のまま続きます。

/fork は、戻ってきません。コピーされた会話はまったくの別物として独立して、そのまま別の道を進みます。画面で言うと、/subtask は今いる会話の中に結果が現れるのに対して、/fork は一覧画面に新しい行が増えて、そこを開くと別の会話が続いている、という違いです。

報告が欲しいなら /subtask、別の会話をもう1本持ちたいなら /fork。この線で選べば迷いません。

なお、公式には分身のことをサブエージェントと呼びます。裏で動く仕組みそのものについては、こちらもあわせてどうぞ。

使いどころは「やり直したくない相談」

私がよく使うのは、長い相談のあとで方針を比べたいときです。

たとえば、記事の構成を1時間ほど相談して固めたあと、まったく違う切り口も見てみたい。ここで元の会話をそのまま壊すと、1時間の積み上げが消えます。以前は、同じ前提をもう一度説明し直してから別案を作らせていました。これが本当に面倒でした。

記事以外でも同じ形の場面があります。企画書の方向性を「守りの案」と「攻めの案」で並べて比べたいとき。前提のヒアリング内容は共通で、そこから先だけを分けたい。こういうときに、前提を持ったまま2本目を立てられるのが効きます。

/fork を打てば、その積み上げを持ったまま別案の検討が別のところで始まります。自分は元の構成を詰め続けて、あとで両方を見比べる。積み上げを捨てずに寄り道できる、という点が一番ありがたい部分です。

分身とやり直しの使い分け

似た目的の機能に、時間を巻き戻す /rewind があります。どちらを使うか迷うので、私の中の線引きを書いておきます。

/rewind は、失敗をなかったことにしたいときに使います。おかしな方向に進んでしまったので、その手前に戻る、という後始末の道具です。対して /fork は、今の状態を捨てたくないときに使います。ここまでは正しいので残したまま、別の可能性も見たい、という前向きな枝分かれです。

戻るのか、増やすのか。この違いで選ぶと迷いません。

分身が増えすぎないように

便利なので、つい何本も分身させたくなります。ここは少し気をつけたほうがいい。

理由は二つあります。一つは、分身はそれぞれ独立して動くので、数が増えると、どれがどの方向を試していたのかがわからなくなること。もう一つは、独立したセッションは独立して利用量を消費することです。裏で静かに動いているだけでも、使ったぶんはちゃんと計上されます。

私は3本まで、と自分で決めています。それ以上になったら、まず一覧画面を開いて、要らないものを閉じる。数を抑えたほうが、比べたい軸もはっきりします。

どれだけ使ったかは、使用量を確認するコマンドで見られます。

会話を資産として扱う

この機能の考え方は、会話を使い捨てにしないことだと思います。

積み上げた前提や文脈は、それ自体が価値のあるものです。それをコピーして別の方向に伸ばせるなら、一つの相談から複数の答えを出せる。使い捨ての相談から、育てて枝を伸ばす相談に変わります。長い相談をよくする人ほど、この違いは効いてきます。まずは、次に長話をしたあとで一度 /fork を打ってみるのがおすすめです。