「Claude Codeで1000のサブエージェントが並列で動く、ってちょっと冗談みたいですよね」 — 研修先での反応です。冗談ではなく、2026年5月28日に発表された新機能 Dynamic Workflows の中身です。

この記事は、Dynamic Workflowsの仕組みと使いどころを公式発表ベースで整理したものです。

ひとつのセッションで最大1000の並列実行

Dynamic Workflowsは、Claude Codeのひとつのセッションの中で、複数のサブエージェント(Claude内部で並列に動く小さなAI担当)を走らせる仕組みです。

仕様の数値は次のとおりです。

項目

上限

1回の実行あたりのサブエージェント総数

1,000

同時実行(concurrent)

16

必要バージョン

Claude Code v2.1.154 以降

「同時には16並列まで」「ただし全体で1,000まで使い切れる」、というイメージです。終わったサブエージェントの代わりに新しいサブエージェントが入る、という形で進みます。

これまでのClaude Codeの並列化が、人間が複数ターミナルやgit worktreeで分担していたのに対し、Dynamic Workflowsは1セッションの中で完結する並列化、という違いがあります。

オーケストレーションはClaudeが書くJavaScript

並列で動かす「指揮役」はClaude自身です。仕組みとしては、Claudeがその場でJavaScript(処理の流れを記述するためのプログラミング言語)のスクリプト(一連の処理を書いたプログラム)を書き、そのスクリプトでサブエージェントの起動・進捗管理・結果の集約をします。

「人間が並列処理を設計する」のではなく、「Claudeが投入された作業を見て、自分でJavaScriptを書いて分解する」という発想。プランの状態はそのスクリプトの変数の中に保持され、Claudeのコンテキスト(会話履歴の限界容量)とは別の場所で管理されます。

これにより、Claudeのコンテキスト枠(=一度に覚えていられる情報量の上限)を圧迫せずに大量のサブタスクを回せる、というのが構造的な工夫です。

向く用途

公式が挙げている用途を、業務イメージで分かりやすくしたうえで並べます。

  • リポジトリ全体のバグ調査(コード置き場全体を一気にスキャン)
  • プロファイラ連動の最適化(動作の重さを計測しながら直す)
  • セキュリティ監査(安全性のチェック)
  • 大規模なシステム移行作業(古い実装から新しい実装への載せ替え)

1人では手が回らない規模の作業を、1回のセッションで進める発想です。マーケや企画の人にイメージするなら、何十本もの議事録を「1本ずつ順番に読む」のではなく、「複数人で同時に読みあげて要点を集約する」、というイメージに近いです。

対応プランと環境

Dynamic Workflowsの利用条件です。

項目

内容

プラン

Max / Team / Enterprise(Enterpriseは管理者有効化)

提供形態

研究プレビュー(research preview)

動作環境

Claude Code CLI / デスクトップアプリ / VS Code拡張

Proプランへの提供は、公式発表の時点では明記されていません。料金プランの全体像は別記事に。

ultracodeとの関係

Dynamic Workflowsを呼ぶいちばん素直な方法は、ultracodeという設定をオンにすることです。ultracodeをオンにしておくと、Claudeが「これは重い作業だ」と判断した時に、自動でDynamic Workflowsを起動して並列化します。

「自分で並列化を指示するのか、Claudeに任せるのか」の入り口がultracode。Dynamic Workflowsは、その入り口の奥で動いている並列実行の本体、という関係です。

消費トークンの増加に注意

ここがいちばん重要な実務上の注意点です。

Dynamic Workflowsは、ふつうのセッションよりもはるかに多くのトークン(AIが処理する文章の単位)を消費します。1,000サブエージェントが動けば、当然それだけClaudeを動かす回数が増える。コストは比例して上がります。

「便利だから常時オン」にすると月の利用量が想定外に膨らみます。重い作業に絞って使う、開始前に対象範囲を絞る、 /cost で消費量をこまめに確認する、といった守りを忘れずに。

私の使いどころの見立て

実際に動かしてみての見立てです。

向くのは、コードの大規模な調査や、複数ファイルを横断するリファクタリング(コードの整理・書き直し)、月初の請求処理のような繰り返しの多い処理。手で1個ずつ回していた作業を、まとめて任せる。

向かないのは、軽い質問、設計の対話、文章の整形といった「単発の判断」が中心の作業。サブエージェントを起動するオーバーヘッドのほうが大きくなります。

「重さで判断する」がポイントです。

まとめ

  • Dynamic Workflowsは2026-05-28発表のClaude Code新機能
  • 1セッション内で最大1,000サブエージェント、同時16並列で動く
  • Claudeがその場で書くJavaScriptで全体をオーケストレーション
  • 向くのは大規模スキャン・移行・繰り返し処理。軽い作業には向かない
  • 対応はMax / Team / Enterprise の研究プレビュー
  • ultracodeをオンにすると必要時にDynamic Workflowsが自動起動する
  • 消費トークンが大幅に増えるので、/cost で守りながら使う