Claude Codeで何かを作ったあと、その結果を人に見せる場面で困ったことはありませんか。ターミナル(コマンドを打ち込む黒い画面)に出た長い文字列をそのままSlackに貼っても、相手はどこを見ればいいか分からない。

2026年6月中旬のv2.1.178で入ったアーティファクトは、まさにこの「見せる」をやりやすくする機能です。セッションの成果を、その場で1枚のWebページにして共有できます。

アーティファクトが解決する困りごと

アーティファクトは、Claude Codeがセッション(作業している1回ぶん)の中身から作る、見て触れるWebページです。公開先はclaude.ai(ブラウザで使うClaudeのサイト)上の非公開URLで、作業が進むとページもその場で更新されていきます。手元で動かすツールがClaude Code、その成果を置く先がclaude.aiという住み分けです。

文字で長々と説明するより、見たほうが早いものに向いています。たとえば変更点を図解した資料、セッションで集めた数字をまとめたダッシュボード、いくつかの案を並べた比較表。こうした「目で見て分かるもの」を、ターミナルの外に出せるわけです。

公式の説明はこちらにあります。

筆者がありがたいと感じたのは、調査の途中経過をそのままページにできる点でした。長く回る作業の進み具合を、リンク1本で同僚に見せられる。「今どこまで進んだ」を口で説明する手間が減りました。

作り方は「ページにして」と頼むだけ

使い方はシンプルで、欲しいページを言葉で頼みます。たとえばこんな具合です。

集めたアンケート結果を、グラフ付きで1枚のページにまとめるアーティファクトを作って

Claudeはまずプロジェクト内にHTML(Webページのもとになるファイル)かMarkdown(見出しや箇条書きを簡単な記号で書く文書形式)のファイルを書き、それを公開します。公開の前には「このページをclaude.aiの非公開ページに出していいですか」という確認が一度入ります。ここで許可すると、URLが表示されてブラウザが自動で開きます。

一度許可したページの再公開では、確認は出ません。ターミナルから直近のアーティファクトをもう一度開きたいときは Ctrl+] を押します。

頼み方を毎回書くのが面倒なら、定型のお願いをスキルとして登録しておく手もあります。スキルの作り方は別記事にまとめました。

更新と共有のしくみ

作ったあとに「ここを直して」と頼めば、Claudeは元のファイルを編集して同じURLに公開し直します。ページを開いている人には、その変更がその場で反映されます。公開のたびにバージョンが記録されるので、ページ上部の共有メニューから、どのバージョンを見せるか選べます。

共有範囲には、はっきりした線が引かれています。新しく作ったアーティファクトは、最初は自分だけが見られる状態です。共有メニューから、組織内の特定の人や全員にアクセスを渡せます。ただし、共有が届くのは同じ組織のメンバーまで。組織の外の人に見せたいときは、Claudeに元のHTMLファイルを出してもらって、そのファイルを直接渡します。

つまりアーティファクトは、社内で気軽に回す共有ページとして設計されています。社外公開の道具ではありません。

できることと、できないこと

ここを誤解すると後でがっかりするので、先に線を引いておきます。アーティファクトは「作業の記録を1枚にしたもの」であって、動くアプリではありません。

中身は1枚で完結するHTMLページです。裏側のサーバーを持たないので、フォームに入れたデータを保存したり、表示した瞬間に外部のデータを取りに行ったりはできません。外部のサーバーから画像やプログラムを読み込むこともブロックされます。元のファイルは .html .htm .md のどれかで、表示時のサイズは約16MBまで、という制限もあります。

裏側を持つ本格的な社内ツールが欲しいなら、それは自前のサーバーに置く話になります。アーティファクトはあくまで、見せるための1枚と割り切るのがちょうどいい。SaaSのような動くものを作りたい場合との切り分けは、Claude Codeでできることの全体像が参考になります。

使えるプランと前提条件

ここは事前に押さえておきたい部分です。アーティファクトは2026年6月時点でベータ機能で、使うにはTeamプランかEnterpriseプランが要ります。Teamプランでは最初から有効、Enterpriseプランでは管理者がclaude.aiの管理画面で有効にする形です。

加えて、/login でclaude.aiにサインインしている必要があります。APIキーやクラウド事業者の認証でつないでいるセッションでは公開できません。Amazon BedrockやGoogle CloudのVertex AI、Microsoft Foundry経由でも、現時点では対象外です。

「ローカルにHTMLファイルだけが書かれてリンクが出ない」「公開できないと言われる」ときは、たいていこのプランや前提のどれかを満たしていません。料金プランごとの違いは、こちらの記事も合わせて見てください。

どんな人に効くか

正直なところ、個人で黙々とコードを書くだけなら、アーティファクトの出番はそれほど多くありません。効いてくるのは、作った結果を誰かに渡す回数が多い人です。レビューを頼む、調査の途中を共有する、複数の案を見せて選んでもらう。こうした「見せて伝える」が日常にある人ほど、ターミナルの文字列をそのまま貼る不便さから解放されます。

筆者の研修でも、受講者が作ったものを発表する場面でこれが効きました。画面共有でターミナルを見せるより、共有ページのリンクを開いてもらうほうが、話が早い。Team以上のプランを使っている職場なら、一度試してみる価値はあります。