「そのページ、取引先にも見せたいんだけど」。アーティファクトを社内で使い始めて、最初にぶつかった壁がこれでした。同じ組織の人には渡せるのに、外の人には渡せない。2026年7月中旬の更新で、その壁がなくなりました。
そもそもアーティファクトとは
先に一行だけ前提を書きます。アーティファクトは、Claude Codeにやらせた作業の結果を、そのままWebページの形にしてくれる仕組みです。数字をまとめた一覧や、資料のたたき台を、URLで渡せる形にできます。
一つ用語を整理しておきます。Claude(ブラウザやアプリで使うチャットのサービス)とClaude Code(ターミナルという文字だけの画面で動く道具)は、別の入り口です。アーティファクトは、Claude Codeで作ってClaudeの側に置かれるページなので、この記事では両方の名前が出てきます。
誰でも開けるリンクが出せる
まず加わったのが、公開リンクです。
アーティファクトを公開共有リンクとして出せるようになりました。これを渡せば、Claudeにログインしていない相手でもページを開けます。社外のパートナー、まだアカウントを持っていない現場の人。これまでURLを渡しても開けなかった相手に、そのまま渡せます。
ただし、TeamプランとEnterpriseプランでは、この公開共有は既定でオフになっています。組織の管理者(Owner)が外部共有を有効にするまでは使えません。会社で試して「出せない」となったときは、機能がないのではなく組織側で閉じている、という可能性が高いです。
自分のプランがどれなのかは、/status を打つと確認できます。
見せるだけでなく、直させる
もう一つが、編集者の役割です。
TeamプランとEnterpriseプランでは、共有した相手に編集者としての権限を与えられます。閲覧だけでなく、中身を直してもらえる、ということ。今までは「直してほしいところをメールで伝えて、作った本人が直す」という往復が必要でした。
ここで一つ勘違いしやすい点があります。編集者になった相手は、ブラウザ上でページの文字を直接書き替えるのではありません。受け取ったURLを自分のClaudeに渡して、直してほしいことを頼み、ページを出し直す、という形です。つまり、直す作業も相手のClaude側で行われます。作った人が全部抱える形からは抜けられますが、相手にもClaudeが必要になる点は押さえておいてください。
Slackのやり取りからも作れる
三つめが、作る入り口の広がりです。
Slackで使えるClaude(Claude Tagと呼ばれます)とのやり取りからも、アーティファクトを作れるようになりました。チャットで相談していた流れのまま、その結果を共有ページにできる。わざわざターミナルを開き直す必要がありません。
私の周りだと、Slackで議論して、決まったことをどこかにまとめ直す、という手間が毎回発生していました。そのまとめ先がその場で作れるなら、記録が残る確率はだいぶ上がると思います。
渡す前にやっておくと楽なこと
実際に社外へ渡してみて、先にやっておくと後が楽だと感じた作業が二つあります。
一つは、ページの中に「いつの時点の情報か」を書いておくこと。渡した相手は、そのページがいつ作られたものかを知りません。日付が入っていないと、古い情報を最新だと思われる事故が起きます。私は右上に更新日を出す形をClaude Codeに頼んで、以降は同じ形で作っています。
もう一つは、渡す前に自分でシークレットウィンドウから開いてみることです。シークレットウィンドウは、ブラウザのメニューから開ける、ログイン情報を持たない別の窓のこと。ChromeならメニューからShift+Ctrl+N(MacはShift+Command+N)で開きます。ここから開くと、社外の人が見る画面と同じものが出るので、意図せず出ている項目に気づけます。
生きたデータを引くページとは併用できない
同じ週には、公開したアーティファクトが開かれるたびに外部サービスから最新データを取りに行ける、という変更も入りました。組み合わせたくなりますが、ここは制限があります。
コネクタを呼ぶアーティファクトは、どのプランでも公開リンクにできません。理由は考えれば納得できます。データの取得は「見ている人自身のつながり」を通って走る作りなので、ログインしていない相手にはそもそも通れる道がないからです。
なので、この二つは使い分けになります。最新の数字を出したいページは、ログインする相手に組織の中で渡す。社外に広く渡したいページは、その時点の内容を焼き付けた形で出す。どちらを取るかを先に決めてから作ったほうが、作り直しが減ります。
公開範囲は段階で考える
便利になったぶん、渡す範囲は自分で決める必要が出てきます。整理すると三段階です。
自分だけが見る状態、組織の中の人に渡す状態、そして誰でも開ける公開リンクの状態。数字や社内の事情が入っているページを、うっかり一番外側にしてしまわないか。ここだけは、渡す前に一度立ち止まる癖をつけたほうがいい。
私は以前、社外の人に見せる用のページを作るとき、社内向けの下書きを流用しようとして、途中で気づいて止めました。中に取引先の実名が入っていたんです。公開リンクは便利ですが、便利なぶん、範囲の確認は手動でやるしかありません。
渡し方が増えた意味
アーティファクトは、出た当初「その回のやり取りの成果をきれいに見せる機能」でした。それが、渡す、直してもらう、外に出す、という方向に伸びています。
見せるための機能から、一緒に使うための機能に変わってきた。この流れを踏まえると、次に作るページは「自分が説明するための資料」ではなく「相手が触るための道具」として組んだほうが、たぶん寿命が長くなります。まず一枚、社内の誰かに編集者として渡してみるのが、違いを実感する近道です。





