社内向けに数字をまとめた共有ページを作って配ったのに、二週間後には中身が古くなっていて誰も見ていない。私はこれを何度もやりました。作った瞬間はきれいなのに、時間が経つと置物になる。その置物問題に手が入りました。

写しではなく、その場で取りに行く

まず用語を一行。アーティファクトは、Claude Codeにやらせた作業の結果を、そのままWebページの形にしてくれる仕組みです。

2026年7月13日から17日の更新で、公開したアーティファクトが、開かれるたびに外部サービスへデータを取りに行けるようになりました。

これまでのアーティファクトは、作った時点の数字を焼き付けた一枚の紙のようなものでした。今回からは、誰かがページを開いたそのタイミングで、つながっている外部サービスに問い合わせて、そのときの数字を表示できます。写しではなく、窓になった、という変化です。

アーティファクトそのものの成り立ちは、以前の記事にまとめています。

MCPコネクタというつなぎ役

ここで出てくるMCPコネクタについて、一行で説明します。

MCPは、AIと外部サービスをつなぐための共通の差し込み口の規格です。カレンダー、社内の顧客リスト、GitHub(プログラムの置き場)といったサービスに、決まった作法でつながる仕組み。そのつながり一つひとつをコネクタと呼びます。アーティファクトとMCPを組み合わせると、この差し込み口をページ側から使えるようになる、というのが今回の変更です。

一つ大事な条件があります。公開したページから呼べるのは、claude.aiの側に登録したコネクタだけです。手元のパソコンに設定したMCPサーバーは、ページからは呼べません。ここを取り違えると「設定したのに動かない」になります。

手元のMCPの話はこちらで扱っています。

頼み方はふつうの日本語で

作るときに特別な作業はいりません。使いたいコネクタと、欲しいデータを言葉で指定するだけです。

たとえば「今週の問い合わせ件数を、ページを開いたときに社内の一覧から取ってくるページを作って」と頼む。あとはClaude Codeがページを組んで、公開まで進めてくれます。仕組みの側を自分で書く必要はありません。

開発の仕事をしている人なら「開いているプルリクエスト(取り込み待ちの修正案)の一覧をGitHubから取ってくるダッシュボードにして」といった頼み方もできます。要は、コネクタの名前と欲しいものを言えばいい、ということです。

なお、この機能はPro、Max、Team、Enterpriseの各プランが対象で、Claude Codeのバージョンは2.1.209以降が必要です。動かないときは、まずここを確かめてください。

見る人自身のつながりで動く

ここが安全設計として一番よくできているところです。

コネクタの呼び出しは、ページを作った人の権限ではなく、見ている人自身のアカウントのつながりを通って走ります。だから、自分に見える範囲のデータしか出てきません。作った人が見られるものが、開いた人に丸ごと漏れる、ということが起きない作りです。

さらに、そのページが最初にコネクタを呼ぶ前には、見ている人に承認を求めます。知らないうちにデータを取られる、という心配も要りません。

一方で、承認したあとの動きは押さえておく必要があります。データを読むだけでなく、書き込む側の操作もできる作りです。つながり先に投稿したり、記録を更新したりする操作は、見ている人自身のアカウントとして実行されます。読むだけのページなのか、何かを実行するページなのかは、渡すときに伝えておいたほうがいいです。

どんな場面で効くか

いちばん相性がいいのは、定期的に見る数字の一覧です。

案件の進み具合、未処理の問い合わせ件数、今週の在庫。こういう「毎回同じ形で、中身だけ変わる」情報は、写しを配り直すのが一番めんどうな部分でした。窓にしてしまえば、配るのは一度だけ。あとは開いた人が、そのときの数字を見ます。

私が最初にこれで作ったのは、記事の公開状況を一覧にするページでした。以前は週に一度、自分で数え直して共有していた作業です。それがページを開くだけになったので、地味ですが週20分ぶんの手作業が消えました。

同じ週に足された共有まわりの変更

今回の更新には、公開の使いやすさに関わる変更も同時に入っています。3つあります。

一つめは、誰でも開ける公開リンクを発行できるようになったこと。二つめは、TeamとEnterpriseで、共有した相手に中身を直させる役割を与えられるようになったこと。三つめは、Slackで使えるClaude(Claude Tagと呼ばれます。Claude Codeとは別の入り口です)とのやり取りからも、アーティファクトを作れるようになったことです。

作って、配って、みんなで直す、という一連が回るようになってきました。ただし、公開リンクと今回のコネクタ呼び出しは併用できません。詳しくはこちらにまとめています。

置物にしない作り方を覚える

正直に言うと、私はこれまで共有ページを「見せたら終わり」の資料として作っていました。だから古くなるのが当たり前だったんです。

窓として作れるとわかってからは、頼み方が変わりました。数字を貼るのではなく、数字の取り方をページに持たせる。この一手間で、同じページが半年後にも使えるものになります。社内で数字を共有する仕事があるなら、まず一枚、窓のほうを作ってみると違いが実感できると思います。